本展は、増田の作品と共に、世界に影響を与えた“Kawaii”の現在地を探る展覧会。2020年以降、増田はコロナ禍で沈む心に色彩で希望を灯すために、世界中に広がるKawaiiコミュニティと対話を続けてきました。Kawaiiとは何なのか? なぜ国境や世代、性別を超えて価値観が伝播し、コミュニティが継続していくのか? 増田セバスチャンの作品とアクティビストとしての活動を通して、その核心であるKawaiiが持つ奥の深さと新たな可能性を体感する試みです。
今回、10月30日(土)から11月21日(日)までの会期中に、3つの異なる会場で作品を展示。その舞台となるのは、かつて造船に関連した工場や倉庫で栄え、現在は若手アーティストのスタジオや文化住宅をリノベーションしたカフェやギャラリー、国内外のアーティストの壁画などが集まるアートの街・北加賀屋。同時期には周辺のアート施設でも展示やイベントが行われ、アートの街を回遊することができます。インダストリアルな街並みや建物に出現し、その場所の記憶とともに展示される増田セバスチャンのカラフルで刺激的なアートたち。パンデミックで世界が混乱する中でも、国を超えて進化し続ける"Kawaii"の世界をぜひ体験してください。
東京開催は今年9月を会期として準備を進めていましたが、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、会期を延期。詳細は後日発表予定です。
「”Kawaii”のその先が見てみたい。それが、モノを作り続けずにはいられない、僕の原動力なのです。」 ―― 増田セバスチャン
- 展覧会の見どころ
第1会場:世界中を旅した極彩色の部屋型作品を日本初展示
第1会場では、部屋型のインスタレーション作品「Colorful Rebellion Seventh Nightmare(カラフルリベリオン セブンスナイトメア)」を展示します。カラフルリベリオンは「反抗的色彩」という意味を持つシリーズで、2014年に発表された本作は七つの大罪をテーマに自画像として作り上げたもの。当作品は2014年にニューヨーク・チェルシーで展示されて以降、フロリダ「Young At Art Museum」、ミラノ「Milano Salone」、アムステルダム「Tropenmuseum」、アントワープ「Museum aan de Stroom」で展示された増田セバスチャンの代表作です。今回は日本で初めての一般公開となります。
また、同会場では「Yes, Kawaii Is Art」の導入として、京都芸術大学ウルトラファクトリーで増田セバスチャンが手掛ける「カラフル・ラボ」の学生たちと行ったKawaii文化に関するリサーチプロジェクトの成果も展示。戦後少女文化から続くKawaii相関図や、世界Kawaiiコミュニティの映像などを通して、Kawaiiの潮流やコミュニティの現在地を紹介します。
この第1会場「kagoo(カグー)」は家具の倉庫として使われていた建物で、「Yes, Kawaii Is Art」は当会場の初イベントであり、総合受付とチケット売場も兼ねたメイン会場となります。
第2会場:コロナ禍だからこそ生まれた、自分の記憶と共に旅をする体験型作品
第2会場はクラブやスタジオなど音楽関連の活動拠点として使用されている、インダストリアルな雰囲気の「音ビル」。2021年2月に東京・北千住「BUoY」にて3日間のみ開催された体験型作品「Fantastic Voyage」を刷新して上演します。本作は増田がコロナ禍で急激に変化を遂げる世界にとまどいながらも対峙し生まれた作品。1台の透明なカプセルが空間を彷徨い、音や言葉のイメージが散りばめられた世界を進み、それを見つめる鑑賞者とカプセルに乗った体験者という立場で言葉を交わすことなく同じ時間を共有します。これは「隔離された世界で未来を想像する装置」という構想のプロトタイプであり、鑑賞者の深層心理に潜り込むような30分ほどの上演型の作品となっています。
第3会場:原宿の名所「世界時計」が2つの姿で再生
第3会場である「千鳥文化」は築60年ほどの文化住宅をリノベーションして作られた、食堂・商店・バー・ギャラリー・ホールなどが混在する文化複合施設で、北加賀屋でも人気のスポット。ここでは2015年から原宿の街で愛され、世界中からの訪問者の記憶に残った世界時計「Colorful Rebellion -WORLD TIME CLOCK-」を作品に転換して展示します。原宿の街角に展示されていた世界時計は、実際に原宿の街角に展示され、色褪せていったマテリアルはそのままに、新たなイメージを加えて再構成した2015年版と、世界時計が制作された当時の色を再現して作られた2019年版の2つを展示いたします。原宿の世界時計という存在や記憶を中心に、現在と過去両方の時間軸が交差する作品展示を行うことで、パンデミックにより失われた時を体験した我々のエモーションにどう反響するかを探ります。
関連イベント:Kawaiiの体現者・6%DOKIDOKIファッションショー
第1会場のkagooでは、11月14日(日)に関連イベントとして増田セバスチャンが1995年にオープンした原宿のショップ・ブランドである「6%DOKIDOKI」のファッションショーを開催。世界中から注目を集めるカラフルなビジュアルの面々はまさに「Kawaiiの現在地」の体現者たち。大阪でのファッションショーは初となり、テーマに「Colorful Riot」を掲げてショーを行います。最新アイテムを揃えたポップアップショップも11月12日(金)から14日(日)の3日間開催予定です。
- 開催概要
タイトル:増田セバスチャン「Yes, Kawaii Is Art」
ウェブサイト:https://sebastianmasuda.com/
[鑑賞料]
第1会場:平日500円 土日祝1,000円
第1・2会場通し:1,500円 (入場は1回限り)
第3会場:無料
[会場]
・第1会場/総合受付、チケット売り場
展示作品:Colorful Rebellion -Seventh Nightmare- 他
会期:2021年10/30(土)-11/21(日) *月・火・11/17(水)休廊
時間:12:00-18:00
会場:kagoo(旧ユナテック川北)
住所:大阪市住之江区北加賀屋5-4-19
・第2会場
展示作品:Fantastic Voyage
会期:2021年11/5(金)、6(土)、7(日)、12(金)、13(土)、14(日)
時間:13:00-14:00/15:00-16:00/17:00-18:00 *11/14(日)は17:00-18:00のみ
予約:https://sebastianmasuda.com/works/osaka/voyage/
*10月上旬に予約開始予定。予約開始日は後日増田セバスチャンのTwitter(@sebastea)で発表します。
*カプセルに乗る「体験」のチケットについては情報が確定次第、上記URLにてアナウンスします。
会場:音ビル
住所:大阪市住之江区北加賀屋5-5-1
・第3会場
展示作品:Colorful Rebellion -WORLD TIME CLOCK- 他
会期:2021年11/12(金)-11/21(日) *月・火・水 休廊
時間:12:00-18:00
会場:千鳥文化ホール
住所:大阪市住之江区北加賀屋5-2-28
[関連イベント]
6%DOKIDOKIファッションショー 「Colorful Riot」
日程:2021年11/14(日)
時間:15:00-16:00
会場:第1会場 Kagoo 他
6%DOKIDOKIポップアップショップ
日程:2021年11/12(金)-11/14(日)
時間:12:00-18:00
会場:第1会場 Kagoo
[主催] 有限会社シックスパーセント、NPO法人 HELI(X)UM
[企画・制作] Yes, Kawaii Is Art 製作委員会
[協力] ASOBISYSTEM、千島土地株式会社、京都芸術大学ウルトラファクトリー
[問い合わせ先] info2@lov-lab.com
- プロフィール
増田セバスチャン
アーティスト
1970年生まれ。90年代より演劇、現代美術の世界で活動を始める。1995年より東京・原宿に拠点を持ち、一貫した独特な色彩感覚からアート、ファッション、エンターテインメントに渡り作品を制作。きゃりーぱみゅぱみゅ「PONPONPON」MV美術、「KAWAII MONSTER CAFE」プロデュースなど、 世界にKAWAII文化が知られるきっかけを作った。2017年度文化庁文化交流使、2018年度ニューヨーク大学(NYU Arts & Science)客員研究員、2019年Newsweek Japan 世界が尊敬する日本人100人。
https://asobisystem.com/talent/masudasebastian/