「りく・なつ同室避難推進プロジェクト」は2023年7月より歌手の伍代夏子氏が、 突如訪れる災害時に備えて、人とペットが安心して同じ室内に避難できる社会の実現を目指し、災害時の備えだけでなく、同室避難に対する飼い主の意識を高めるお手伝いと、ペットと一緒に避難することの重要性を発信していくことを目的として活動しております。
この度、6月9日(日)に、アンバサダーの伍代夏子氏が神奈川県小田原市で開催された「ペット同室避難防災セミナー」へ出演し、ペット同室避難の重要性を話しました。
■伍代氏「ペット連れでも入れる避難所を早く作れるよう活動していきたい。」
伍代氏は今回のセミナーについて、「1つの市だけではなく、神奈川県西の広い地域で 一丸となってペットとの同室避難を推進していただけるというのはありがたいことであり、全国に広まってほしいなと思います。」と伝えたうえで、「(避難所に)わが子のような愛犬を連れて行かないということは考えられない。ペット連れでも入れる避難所を早く作れるよう、各自治体へのお願いや、署名活動などを行うこと、それと同時に、ワクチン接種やしつけなど、飼い主が果たすべき義務についても周知していきたいです。」と今後の活動について考えを述べました。
セミナーでは実際に被災地で活動している、災害時にペットの捜索や救助を行う「チームうーにゃん」の代表 うさ氏と、認定NPO法人日本レスキュー協会の辻本郁美氏が、人とペットの防災をテーマに講演を行いました。
うさ氏は東日本大震災や能登半島地震でのペットの救助活動について話し、最後に「今は本当にいろんな家族の形があります。なぜペット同室避難が必要か。それはペットも大切な家族であり、その命はたった1つしかない大切な命だからです。今回のセミナーが、災害が起きた時、大切な家族の命を救う、 そんなことにつながるセミナーであってほしいなと心から願っています。」と訴えました。
また、認定NPO法人日本レスキュー協会 辻本郁美氏は、能登半島地震で行っている災害救助犬による行方不明者の捜索活動、 被災ペットと飼い主への物資支援、サポート支援、セラピードッグによる慰問活動についてなど講演を行いました。辻本氏は、「ためらわない避難の実現のためには、まず1つめは、ペット連れの避難を受け入れる体制作り、場所とルールの設定、飼い主への周知など、避難所の仕組みが必ず必要になります。そして、2つめは、飼い主自身が備えるということ。 物品を揃えておく、ペットに教えておく、それから、どうなった時にどうするのか(災害が起きた時にどのように行動するのか) 、どこに逃げるのかなど、自分の行動を決めておくこと。この2つはどちらが欠けても成立しません。自治体によっても、飼い主によっても色々なやり方があります。私たちも、ペットと飼い主さんが安心して避難をするという選択ができる世の中にしていきたいと考えて活動していくので、皆さんもぜひ考えてほしいです。」と話しました。
■同室避難についてのクロストークセッションの実施
神奈川県西地域におけるペット同室避難の実現に向けて、災害対策にかかる様々な立場や視点から 同室避難について議論するクロストークセッションも行われました。
珠洲市のペット同室避難所を視察した感想を聞かれた伍代氏は、「ペットはみんなとてもおとなしく過ごしていました。飼い主と離れ離れにされるとペットも心細く感じるので騒ぐと思います。いつも家に一緒にいる環境で避難ができれば、飼い主もペットも落ち着けると思うので、同室避難は絶対に必要だと感じました。また、仕事に出かける際にペットを預けることができる施設もあったため、飼い主としても安心して避難できる場所だと思いました。」と述べました。
この開設の支援に関わった辻本氏は「避難者の皆さんが、ルールをきっちり守ってくださったので、大きなトラブルは起きていないため、運営時に見えてきた課題は思いつかないです。運営よりも開設までが苦労しました。なかなか開設まで至らなかったので、平時のうちから準備をして、開設できるように準備をしていくことが大切だと思います。」と改めて日頃から準備を行う大切さを伝えました。
車避難について問われたうさ氏は「家屋の倒壊で車が潰れて使えない、家の中に車の鍵を取りにいけないという問題が能登半島地震では実際にありました。車避難の準備をしていくこともいいですが、もし車で避難できないといった問題が起きた時のためにも、同室避難ができる場所を確保していくことが重要だと思います。」と同室避難の必要性を話しました。
クロストークでファシリテーターを務めた神奈川県議会議員 佐々木ナオミ氏は「安心してペットが避難できる環境づくりを神奈川県ももっと力を入れていかなければならないと思います。まずは同室避難の必要性、同室避難をするために必要なことの周知活動をもっとやっていくと同時に、神奈川県として、各自治体が取り組みやすいような財政的な支援や人の支援にも取り組んでいかなければならないです。県だけでできない場合は、国へ予算の要望を伝えていかなければならないため、今後とも同室避難実施に向け活動していきます。」とし、小田原市議会議員 原久美子氏は、「(小田原市の)ガイドラインはまだ「同行避難」でとどまっています。そんな現状を早く変えるためにも、ペットと人が一緒に避難できる空間を絶対に確保するという覚悟でやっていきます。」と伝えた。また南足柄市議会議員 岸本敦子氏は、「コロナ禍だったということもあり、同行避難の訓練さえできていません。まずはペットと一緒に避難できるとことを知ってもらい、同じ部屋に避難できる環境づくりを皆さんと行っていきたいです。」とそれぞれ今後の活動への決意を述べました。
■小田原市長、南足柄市長、大井町長と対談
伍代氏は、「ペット同室避難防災セミナー」に来賓として参加されていた小田原市長 加藤憲一氏、南足柄市長 加藤修平氏、大井町長 小田眞一氏と対談を行いました。伍代氏は改めて、神奈川県西地域全ての市町村でペット同室避難を実現をしてほしい旨を伝えました。対談に参加した各首長は実現に向けて検討する意向を表明しました。
(写真左から)大井町長 小田眞一氏、小田原市長 加藤憲一氏、神奈川県議会議員 佐々木ナオミ氏、伍代夏子氏、南足柄市長 加藤修平氏
「りく・なつ同室避難推進プロジェクト」とは?
突如訪れる災害に備えて、人とペットが安心して、同じ室内へ避難できる社会へ。
日本では多くの家族でペットを飼っており、ペットを家族の一員として大切にしています。
しかし「同室避難」についての意識はまだまだ浸透していません。
このプロジェクトでは、災害時に備えだけでなく、同室避難に対する飼い主の意識を高める
お手伝いと、ペットと一緒に避難することの重要性を発信していきます。
■開催概要
■催事名 :ペット同室避難防災セミナー
■日時 :2024年6月9日(日)
■開催場所:小田原三の丸ホール
■出席者 :りく・なつ同室避難推進プロジェクトアンバサダー 伍代 夏子 氏
動物レスキュー「チームうーにゃん」代表 うさ 氏
認定NPO法人日本レスキュー協会 辻本 郁美 氏
■主催 :ペット同室避難を実現する会@神奈川県西地域