映画、ドラマ、演劇と、様々なメディアミックスがされてきた山本周五郎による傑作時代小説『ひとごろし』。今回は新潮文庫から刊行された「ひとごろし」所収の「ひとごろし」の1作を、オリジナルシーンや脚色を追加した朗読劇版として描いている。
演出は、「企画演劇集団ボクラ団義」主宰であり、舞台『炎炎ノ消防隊』シリーズ、ミュージカル『コードギアス 反逆のルルーシュ 正道に准ずる騎士』、舞台『信長の野望・大志』シリーズなどを手掛ける脚本家・演出家の久保田唱。脚本は俳優・脚本・演出でジャンルを問わず活躍する開沼豊。主演・双子六兵衛を堀江一眞、下鶴直幸、三本木大輔がマルチキャストで演じ、中島愛、野村香菜子と小原好美(Wキャスト)、檜山修之、武井和歩、井上歌奏子が脇を固める。
さらに、各回終演後、キャストによるお見送り会や裏話をお届けするアフタートークの実施も決定。本編と合わせて作品の世界に浸ったり、キャストの素の表情を楽しんだりできる時間となっている。
5月3日(金祝)の初日を前にゲネプロが行われ、キャスト陣からのコメントも到着した。
主人公は越前福井藩(現在の福井県)きっての臆病者といわれている若侍・双子六兵衛(堀江一眞・下鶴直幸・三本木大輔)。冒頭から犬の鳴き声や蛇など、些細な物音にも驚き怖がってばかりで、語り手を務めるおよう(中島愛)に叱られるほどだ。妹・かね(野村香菜子・小原好美)からも「結婚できないのはお兄様のせい」と言われ続けている。しっかり者で気の強い妹にたじたじな兄のテンポのいいやり取りがコミカルだ。
そんな六兵衛が主君の名を受けて罪人を討つ「上意討ち」を引き受けるという一大決心をしたことから物語が始まる。
討つべき相手は、藩主が可愛がっていた小姓を斬った藩のお抱え武芸者・仁藤昂軒(檜山修之)。「逃げも隠れもしない」と宣言して江戸に向かう昂軒に想定より早く追いついた六兵衛は、あまりの恐怖で「ひとごろし」と叫んで逃げ出してしまう。
だが、それを聞いた農民たちが怯える姿を見てある策を思いつき、昂軒の行く先々で「ひとごろし」と叫びだす。突き抜けた臆病さを武器に強大な相手に立ち向かうとんちのきいた展開、同じ武士でありながらスタンスが全く違う六兵衛と昂軒の対比が面白い。メイン以外の様々なキャラクターを演じ分ける武井和歩、井上歌奏子の芝居も魅力的だ。
後半は、おようからかねに語り手をバトンタッチ。おようはハキハキとして気丈な宿屋の女主人として六兵衛の前に現れ、物語をさらに加速させていく。彼女との出会いでひとまわり成長した六兵衛と、追い詰められていく昂軒。オチが読めていても見入り・聞き入ってしまうパワーをキャスト陣が放っており圧倒される。また、キャストの役作りによって印象が変わりそうなシーンも多いため、様々な組み合わせへの期待が高まった。
六兵衛たちの家や旅路で立ち寄る店・宿など、場面が次々に移り変わるが、照明や舞台上のあちこちに置かれたマイクの使い分けでシーンの変化をうまく見せている。 また、「時代劇」といっても堅苦しさはなく歴史に関する知識も必要ない。軽妙な語り口、とっつきやすいストーリーのため、時代物に馴染みがなくても物語にすんなり入っていける。一方で、キャスト陣が和服を着て草履を履いていたり、邦楽が聞こえたり、時代劇らしい情緒もたっぷり。作品が持つ魅力はそのまま、現代らしい脚色や演出がされているため、原作ファンも新鮮に楽しめるのではないだろうか。
本作は上演回ごとのマルチキャストで、5月3日(金・祝)から6日(月・祝)まで俳優座劇場にて公演が行われる。出演キャストやアフターイベントの詳細は公式HPやXで確認しよう。
キャスト陣、演出の久保田唱より開幕コメントが到着!
<キャストコメント>
双子六兵衛役:堀江一眞
それほど読書家でもなかった自分が高校時代に山本周五郎氏の「さぶ」に出会い感銘を受け、20代には同作の映画作品に出演が叶い、それから20年後にはまた同氏の「ひとごろし」で今度は朗読をさせていただく運びとなり!いよいよ周五郎作品に縁や運命を感じ始めております。作品タイトルこそ過激ですが、喜劇です!沢山「ひとごろし~涙!」と叫びまくって、逆に皆様には沢山笑ってもらえるよう頑張ります!!どうぞお楽しみに♪
双子六兵衛役:下鶴直幸
とうとう始まりました!
何度か稽古をさせて頂いて、自分なりに試行錯誤し、今自分がやれる全力の六兵衛をみなさんにお届け出来ればと思います!!
楽しみにしていて下さいね!!
会場でお会いできるのを心よりお待ちしております!!
双子六兵衛役:三本木大輔
時代劇朗読劇『ひとごろし』、いよいよ幕が上がります!
生まれてこの方喧嘩どころか口論もしたことのない、藩中きっての“臆病者”と言われる若侍が、いったいどのようにして、名うての武芸者相手に上位討ちを果たすのか!
耳だけでなく、目でも楽しめる朗読公演!
“臆病者”双子六兵衛として、素敵すぎるキャストとともに、喜劇『ひとごろし』の世界を全身全霊で駆け抜けます!
ぜひ!俳優座劇場にて見届けてくださいッ!!
仁藤昴軒役:檜山修之
稽古も進みいい感じに仕上がってきたかと…。
檜山のこれまでのキャリアの中では闘うキャラ、それも最強クラスの強者を演じる事が多かったのですが(^^)
そんな檜山が今回演じる「仁藤昴軒」も、剣をとっても、槍をとっても、達人の今作品中最強キャラ!そんな最強の武芸者が「六兵衛」に追われてどうなるか?
それは、観てのお楽しみと言うことで!
およう役:中島愛
およう役の中島愛です。ついに幕開けということでワクワク、ドキドキしております。
本作はタイトルと内容のギャップが肝で、クスッと笑えるユーモアあふれるシーンが満載です。
私は語りも担当いたしますので、主人公の六兵衛さんをはじめとする登場人物の魅力や面白さをより伝えられるよう、全力を尽くしたいと思います!
かね役:野村香菜子
朗読劇の出演のお話をいただき、稽古が始まり、もう本番を迎えるので、本当に全てがあっという間で驚いております…!ここ数日は台本と向かい合う濃厚な時間を過ごしてきましたが、皆様に観ていただける日が近づく度に、はやく観ていただきたいなぁ!と、とてもワクワクしておりました。是非『ひとごろし』の物語を楽しんでいただけるように精一杯かね役を務めさせていただきます!よろしくお願いいたします。
かね役:小原好美
ひとごろし…一体どんな物語なのでしょう?
怖いのかな?と思った方もいらっしゃるかもしれません。私もそうでした(笑)
シナリオを頂き、稽古を重ねていく中でこの物語の面白さ、そして役者の皆さんの生のお芝居の掛け合いの大切さを改めて感じております。
和物の朗読劇、個人的には初なのでワクワクしてます!かねは勿論、私の大切な兄の六兵衛の活躍にも注目していただけたらと思います。よろしくお願いします!
助演:武井和歩
時代劇朗読劇『ひとごろし』、ついに開演いたしました!!
稽古での先輩方、主演陣の姿を拝見させていただき感動と畏敬の念を抱きました、、、
助演という立ち位置で何ができるのか、全力を尽くしております!
皆様とお会いできる事を楽しみにしております!
助演:井上歌奏子
助演の井上歌奏子です。
今作は、老若男女どんな方にでも楽しんでいただける喜劇です。稽古を重ねる度、創意工夫によって面白可笑しくなっていき、本番への期待が膨らむばかりでした。
お客さまへお披露目できることが心から楽しみです。
生のお芝居、キャストが同じ回も一度として同じ公演はございません!
何度でも観たいと思ってもらえるように、毎公演、新鮮さを大切にお届けしてまいります。是非ともお楽しみください。
演出:久保田唱
時代劇、と聞くと「難しい」イメージを持つ方が多いかもしれませんが、この『ひとごろし』は歴史の知識は全く必要ない、肩の力を抜いて楽しんで頂ける喜劇です。
タイトルの『ひとごろし』から怖いイメージを受けるかもしれませんが、この単語の印象が、見終わった後には全く変わるのではないでしょうか。
傑作喜劇を、巧みな演者さんのお力を頂きながら、朗読劇ならではの表現で皆様にお届け致します。是非一度ご体験を!!
アフターイベント開催決定
3日(金祝) 14:00 お見送り/18:00 トークショー
4日(土) 14:00 トークショー/18:00 お見送り
5日(日) 14:00 お見送り/18:00 トークショー
6日(月祝) 14:00 トークショー
公演グッズ
・パンフレット(2,200円)
・上演台本(2,000円)
・ブロマイド 4枚1セット(1,000円/セット)
・ランダムブロマイド(300円/枚)
・DVD(7,700円/枚)
特典:・特典①5,000円以上購入いただいた方に特典ブロマイドプレゼント
堀江・下鶴・三本木/檜山・中島/野村・小原/武井・井上
・特典②劇場にてDVD予約申込みをしていただいた方に特典ブロマイドプレゼント
販売サイト:https://www.goodssalescom.com/
販売期間:5月3日(金)13:15~5月31日(金)23:59
<あらすじ>
越前福井藩きっての臆病者といわれている若侍・双子六兵衛が突如、誰も引き受け手のない主君の名を受けて罪人を討つ「上意討ち」を買って出た。
相手は藩主が可愛がっていた小姓を斬った藩のお抱え武芸者・仁藤昂軒で、剣術と槍の名人であった。六兵衛には、もちろん剣の腕はあるはずもない。
ある夏の日、妹・かねが止めるのもきかず六兵衛は昂軒を追い、三日目に追いついた。だが、その姿を見ただけで心臓がとまるほど恐怖にふるえあがる。後を尾けていたはずがいつの間にか追い越し、昂軒に呼び止められると恐怖のあまり思わず「ひとごろし」と叫んで夢中で逃げ出してしまった。
ところが、この一声が意外な効果を生んだのだ。往来の旅人や土地の人たちが、六兵衛の叫びを聞き、昂軒の容姿を見るなり大混乱を起こして、恐怖におののいて逃げまどった。それから六兵衛は事あるごとに「ひとごろし」と叫び、精神的に追い詰めていくのであった。
<公演概要>
時代劇朗読劇「ひとごろし」
原作:山本周五郎著「ひとごろし」(新潮文庫刊『ひとごろし』所収)
脚本:開沼豊/演出:久保田唱
出演:
堀江一眞
中島愛
野村香菜子
小原好美
下鶴直幸
三本木大輔
武井和歩
井上歌奏子
檜山修之
※マルチキャストとなりますので出演回にご注意ください。
公演日程:2024年5月3日(金祝)~6日(月祝)
3日(金祝)14:00/18:00
4日(土)14:00/18:00
5日(日)14:00/18:00
6日(月祝)14:00
※受付開始・ロビー開場、客席開場は開演の45分前となります。
会場:俳優座劇場(〒106-0032 東京都港区六本木 4 – 9 – 2 )
チケット (全席指定・税込):一般 8,200円/当日 8,500円
一般発売中:http://confetti-web.com/hitogoroshi
※未就学児童の観劇不可※車椅子でご来場されるお客さまは、チケット購入後にお名前・ご観劇回・座席番号をご観劇日の前々日までに stage.contact55@gmail.com までお知らせください。
【こども無料チケットお申し込み】
本公演は文化庁による「劇場・音楽堂等の子供鑑賞体験支援事業」により、小学生(6歳以上)~18歳のお子様を無料でご招待いたします。
受付期間:2024年4月14日(日)10:00~各公演前日23:59
受付URL:https://www.quartet-online.net/ticket/hitogoroshi
※受付は先着順、予定枚数に達し次第、受付終了となります。
制作協力:ABC&SET/ノサカラボ/ILLUMINUS
主催・企画・製作:style office
宣伝:キョードーメディアス
公演公式サイト:https://hitogoroshi-reading.com/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/Hitogoroshi2024
お問合せ:stage.contact55@gmail.com