「認定NPO法人あっちこっち」、被災地での心の支援を継続。
芸術による社会貢献を行う「認定NPO法人あっちこっち」の活動は、2011年の東日本大震災の際に始まりました。被災地での無料のカフェ・コンサートと手作りのお菓子を提供するイベントを開催したのがきっかけです。2011年夏に宮城県の七ヶ浜町で始め、石巻市、南三陸町、2013年からは福島県、2017年からは熊本県の被災地でも毎月開催し続けてきました。2020年からは新型コロナウイルスの影響で中断していましたが、今年3月にクラウドファンディングの支援を募り、福島県内の3カ所で再び開催することができました。
カフェのお菓子はボランティアで手作り
横浜でボランティア募集を「被災地にお菓子を届ける会」開催しています。被災地の方の気持ちが温かくなるように、美味しくてわあっと喜んで貰えるようなお菓子のレシピを工夫をしています。今回は「ステンドグラス・クッキー」というトランプをイメージした手作りのお菓子をボランティア16人で約200個作りました。
福島県郡山市学童保育ココネット・マムにてカフェ・コンサート開催
初日の3月7日、福島県郡山市の学童保育ココネット・マムで開催されたカフェ・コンサートには、約30人の子供たちが集まりました。石巻出身のバイオリニストである大久保初音さんといわき出身のピアニストである青木佑磨さんが演奏を担当し、子供たちは一緒に歌ったり、ピアノを弾いたりして音楽を楽しみました。特にバイオリン演奏の体験は、子どもたちに大人気でした。
福島市の児童養護施設アイリス学園、子ども食堂「こどもカフェたまご」で開催
翌日の8日には福島市の児童養護施設アイリス学園で、9日には福島市のこどもカフェたまごでカフェ・コンサートが開催されました。アイリス学園では8年ぶりの訪問でしたが、子供たちは最後まで緊張しながらもバイオリン演奏を楽しんで参加し、演奏家たちとの交流も満喫しました。カフェたまごでは、子供と大人を合わせて30人以上の参加者があり、演奏開始の合図となるお菓子のCM曲で大いに盛り上がりました。アンコールには、福島出身の作曲家古関裕而の曲が演奏され、小学校を卒業する子どもたちから演奏家へ花束のサプライズがありました。
2011年から約13年間、東日本大震災や熊本地震で被災された方々に向けて、「生活を立て直す支援」の先にある「心の支援」に力を入れてきた。
13年間の東北への支援から、被災地への長期的な心のケアの必要性を実感しました。またこの経験が、団体の活動の基盤となっています。これまでの活動によって生まれた、被災地や支援者との繋がり、そこから得たものは数知れません。13年間の活動で東北や熊本で被災地と寄り添ってきた経験やノウハウを持って、能登半島地震で大変な状況にある被災地への支援へとつなげる予定です。