令和5年10月末日、再整備のため初代国立劇場は閉場いたしました。これまで多くの伝統芸能公演を制作、上演してきた国立劇場は、再整備期間中も伝統芸能の振興のため、都内各劇場にて主催公演を続けてまいります。
その第1弾として、12月に足立区・北千住のシアター1010(センジュ)にて、閉場後初の主催公演となる文楽公演、文楽鑑賞教室を開催いたします。
例年、中堅・若手技芸員を中心とした座組でファンの方に人気の12月文楽公演、そして、多くの学生たちや初めてのお客様に、本物の文楽体験をお届けし続けてきた文楽鑑賞教室。
文楽の魅力が詰まった公演で、国立劇場は北千住から新たな第一歩を踏み出します。
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語り物としての文楽の魅力を堪能 12月文楽公演『源平布引滝』
文楽は、太夫による語り、三味線の演奏、そして三人遣いの人形による演技が一体となって、人間世界の情や業を描く、世界でも類を見ない日本が誇る舞台芸術です。
12月文楽公演では、「源平盛衰記」「平家物語」を題材に取り、大胆な想像力で脚色された人気演目『源平布引滝』を上演します。
『源平布引滝』は寛延2年(1749)大坂・竹本座で初演された時代物です。作者は、並木千柳、三好松洛のコンビです。二人は浄瑠璃の三大名作(『菅原伝授手習鑑』『仮名手本忠臣蔵』『義経千本桜』)を書いた作者として有名です。
全五段の長編浄瑠璃ですが、中でも今回上演する、若き斎藤実盛が活躍する三段目が頻繁に上演されます。斎藤別当実盛は、平家方の武将で、木曾義仲討伐のため加賀国・篠原の合戦で奮戦するも、義仲四天王の一人手塚太郎光盛に討たれます。最後まで武将として若々しく散りたいと、白髪を黒く染めており、首実検で首を洗うとみるみる白髪に変わったという逸話が「平家物語」や「源平盛衰記」に記されています。
本作品は、その実盛の最期から約三十年前、実盛がまだ本当に若々しかったころの物語です。源氏の白旗をめぐる争奪戦に、木曾義仲の出生や幼い手塚太郎(太郎吉)との因縁を絡め、三大名作を著したコンビによる奇想天外な物語が展開し、飽きさせません。中でも眼目は、実盛が颯爽と怪事件の真相を語る通称「実盛物語」です。語るのが非常に難しい場面と言われ、それだけ聴き所に溢れ、語り物の芸能としての文楽の魅力がたっぷり詰まった、必見の舞台です。
国立劇場、文楽公演の新しい一歩を踏み出すのにふさわしい名作の魅力を、存分にご堪能いただきます。
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楽しい解説付きで初めてでも楽しめる 12月文楽鑑賞教室
国立劇場では、初めて文楽をご覧になる方にも、その魅力を存分にお楽しみいただけるよう、出演者による解説と文楽を代表する名場面を上演する、文楽鑑賞教室を昭和44年(1969)から継続して開催しています。初代国立劇場は本年10月末日をもって再整備のため閉場いたしましたが、場所を北千住・シアター1010に移して、引き続き開催してまいります。
外部劇場では初めてとなる今年の文楽鑑賞教室は、『傾城恋飛脚』から「新口村の段」をお送りいたします。大坂で飛脚屋を営んでいた忠兵衛は、男の意地のため、届けるべきお金を横領してしまいました。追われる身となった忠兵衛は、恋人の梅川とともに逃避行を続け、雪が積もる故郷である新口村にたどり着きます。ここには年老いた忠兵衛の父、孫右衛門がひっそりと暮らしていました。
父に一目会い、お詫びしたいと願う忠兵衛でしたが、罪を背負った今、その思いは叶いません。
そんな時、雪に足を取られて転んだ孫右衛門を見て、梅川が思わず飛び出して介抱を始めます。梅川と会話をしていくにつれ、孫右衛門は梅川の素性に感づき始めますが……
罪を犯した我が子でも大切に思う気持ちとは裏腹に、世間への義理や責任を果たさなければ生きていけない人生。その狭間で苦悩する人々の思いが胸に刺さる名作浄瑠璃です。
文楽の舞台をより一層お楽しみいただくために、出演者による解説と、にぎやかで楽しい舞踊『団子売』も併せて上演します。無料のプログラムもついて、お手頃な価格で文楽の魅力を存分にご堪能いただける公演です。
また、8日(金)は英語での解説と英語の字幕、またオーディオガイド(日英)を無料でご利用いただける「Discover BUNRAKU」、9日(土)10日(日)は午後5時30分開演の「社会人ための文楽鑑賞教室」を開催します。
ぜひともこの機会に、文楽の魅力に触れてみてください!
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国立劇場の新たな第一歩は、北千住・シアター1010(センジュ)から
老朽化などに対応する再整備事業のため、令和5年10月末日をもって初代国立劇場は57年の幕を閉じました。新たな国立劇場への第一歩は、北千住・シアター1010より始まります。
シアター1010は北千住駅に直結した「千住ミルディス」(北千住マルイ)の10階・11階に位置する総合文化施設です。本格的な演劇やミュージカルなどを上演するシアター1010に、文楽が初めてお目見得します。今回の公演のために、文楽廻し(床)を設置し、本格的な文楽の上演を行います。
北千住駅はJR線、東京メトロ日比谷線、千代田線、東武スカイツリーライン(半蔵門線直通)、つくばエクスプレスが乗り入れしており、都心からのアクセスも大変便利です。劇場は北千住駅直結の商業施設マルイの中にあり、また周辺には多くの商店街もあって、観劇後のお買い物やお食事も存分に楽しんでいただけることでしょう。
大型ターミナルでありながら、どこか懐かしいレトロな雰囲気を感じさせる街・北千住。ご観劇とともに、街の魅力に触れていただき、豊かなひと時をお過ごしください。
また、国立劇場では、シアター1010での文楽公演に関連してミニイベントを実施する予定です。さらに、近隣商店街のご協力のもと、チケット半券ご持参でお得なサービスが受けられるキャンペーンも実施します。詳細は、国立劇場ホームページ(https://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu.html)や、SNSでお知らせいたしますので、是非ともチェックしてください。
プレスリリースはこちらから
https://prtimes.jp/a/?f=d47048-688-4558997fa49f3cf8b2dabda388d96578.pdf
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国立劇場 12月文楽公演
源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)
竹生島遊覧の段/九郎助住家の段
【公演日程】
令和5年12月4日(月)~14日(木)
(4日~7日、11日~14日) 午後5時開演
(8日~10日) 午後2時開演
※字幕あり
※休憩あり
【料金[税込]】 6,500円(学生4,600円)
※障害者の方は2割引です。(他の割引との併用不可)
※車椅子用スペースがございます。
令和5年12月文楽公演
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2023/51210.html
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国立劇場 12月文楽鑑賞教室
団子売(だんごうり)
解説 文楽の魅力
傾城恋飛脚(けいせいこいびきゃく)
新口村の段
【公演日程】
令和5年12月5日(火)~14日(木)
午前11時開演/午後2時開演 8日~10日は午前11時のみ
※字幕あり
※休憩あり
【料金[税込]】 4,500円(学生1,800円)
※障害者の方は2割引です。(他の割引との併用不可)
※車椅子用スペースがございます。
Discover BUNRAKU
-外国人のための文楽鑑賞教室-
12月8日(金) 午後5時30分開演
※英語解説と『傾城恋飛脚』のみの上演です。
※日本語・英語のイヤホンガイド、6か国語のプログラム付き
※英語字幕あり
※休憩あり
社会人のための文楽鑑賞教室
12月9日(土)・10日(日) 午後5時30分開演
※字幕あり
※休憩あり
令和5年12月文楽鑑賞教室 / 社会人のための文楽鑑賞教室
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2023/51211.html
Discover BUNRAKU – 外国人のための文楽鑑賞教室
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2023/discover-bunraku.html
●:文楽公演 〇:文楽鑑賞教教室
◎:社会人のための文楽鑑賞教室 ☆:Discover BUNRAKU
上演時間 文楽公演:約2時間20分 文楽鑑賞教室:約2時間
【会場】
シアター1010(センジュ)
(〒120-0034 東京都足立区千住三丁目92番 千住ミルディス1番館10~11階)
チケットのお求めは
国立劇場チケットセンター 0570-07-9900
国立劇場について
日本の伝統芸能の保存及び振興を目的として昭和41年(1966)に開場。外観は奈良の正倉院の校倉造りを模している。大劇場・小劇場・演芸場・伝統芸能情報館を備え、多種多様な日本の伝統芸能を鑑賞できる。初心者や外国人を対象とした解説付きの鑑賞教室も開催している。
老朽化による再整備事業のため、令和5年(2023)10月末に閉館。閉館後も都内各劇場のご協力により、主催公演を継続して上演している。
所在地:東京都千代田区隼町4-1
03-3265-7411(代表)
プレスリリースはこちらから
https://prtimes.jp/a/?f=d47048-688-4558997fa49f3cf8b2dabda388d96578.pdf