「フリマサービスで売れることで、買い替え・購入をしやすくなったと感じる」推し活は2人に1人、ファッション・家電は3人に1人が回答
フリマサービスが買い替え・購入を促進し、消費行動の変化が明らかに
〜「推し活循環社会」「衣替えの消候化」「買い替えサイクルの短縮化」〜
メルカリ総合研究所(運営:メルカリ)は、18歳〜57歳の男女600人を対象に「リユース人気カテゴリーにおける消費動向調査」を実施しました。
2023年8月、経済産業省が公表した調査(※1)によると、リユース業界の市場規模(EC、実店舗含む)は、2025年には3兆5,000億円に達すると予測されており、昨今のSDGsの達成に向けた取り組みの拡大など、社会課題の解決に向けた意識の高まりも背景に、リユース利用人口は今後も拡大していくと見られています。
メルカリ総合研究所で2023年8月に実施した「世代別の消費行動と資産認識」に関する調査(※2)では、Z世代の約半数は“家にある自分の持ち物を売ることを想定して”買い物を楽しむという調査結果が出ており、自分が使わなくなったモノを他の誰かに譲り、おトクに自分の欲しいモノのお買い物を楽しむという新たな消費行動が生まれていることも分かりました。
こうしたリユースの拡大の中で、とりわけ拡大傾向にあるカテゴリーが、「エンタメ・ホビー」、「ファッション」、「家電」の領域です(※1)。これらのカテゴリーにおいては、単に新品を買う消費行動のみならず、中古品として買う、あるいは、何かを売ってその売上で別のモノを買う、など、フリマサービスは、消費行動の一部となり、各カテゴリーの消費行動の中では、無視できない重要な存在となっているのかもしれません。
上記のような変化を受け、今回は、
①リユース市場の拡大とともに利用が広がるフリマサービスが、人々の消費行動にどのような影響を与えているのか
②その中でも拡大傾向にある、「推し活(エンタメ・ホビーの中でも近年伸長する推し活カテゴリーをピックアップ)」、「ファッション」、「家電」のカテゴリーにおいて、フリマサービスの利用は人々の消費行動とどのような関係性にあるのか
③フリマサービスは先述の3つのカテゴリーにおいて、どのように消費行動を変えているのか
といった3つのポイントに関して、調査を実施しました。
※1:経済産業省(2023年8月)「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831002/20230831002.html
※2:メルカリ総合研究所(2023年8月)『「世代別の消費行動と資産認識」に関する調査』
https://about.mercari.com/press/news/articles/20230807_generationsurvey/
【結果サマリー】 フリマサービスが消費へのハードルを下げ、買い替え・購入を促進
フリマサービスでの売買も含めて消費行動を紐解くことで、顕在化されていなかった消費行動の変化の兆しも明らかに ・「推し活(エンタメ・ホビー)」カテゴリーの結果詳細 (リリースURL:https://about.mercari.com/press/news/articles/20231108_categorysurvey_1/)
・「ファッション」カテゴリーの結果詳細
・「家電」カテゴリーの結果詳細
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フリマサービスが消費意欲の向上/消費のハードルを下げているという結果に
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フリマサービス利用者の6割以上が、
「推し活(エンタメ・ホビー)」「ファッション」「家電」カテゴリーの取引経験あり
まず、各カテゴリーについてフリマサービスで取引したことがあるかを伺うと、「推し活(エンタメ・ホビー)」においては約5割(50.9%)が、「ファッション」においては約3割(33.5%)が、「家電」においては約4割(40.6%)が、取引を行ったことがあると回答。
一方、過去フリマサービスを利用したことがある層のみに絞って同じ質問をしたところ、「推し活(エンタメ・ホビー)」においては約7割(67.1%)が、「ファッション」においては約6割(62.6%)が、「家電」においては約8割(76.5%)が、取引を行ったことがあると回答しました。それぞれ、約1.3倍、約1.8倍、約1.8倍と、フリマサービス利用者にとって、この3カテゴリーはフリマサービス利用の主要な利用例となっていることが分かりました。
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推し活は2人に1人、ファッション・家電は3人に1人が、
「フリマサービスで売れることで、買い替え・購入がしやすくなった」と回答
さらに、「フリマサービスで売れることで、買い替え・購入をしやすくなったと感じるか」については、「推し活(エンタメ・ホビー)」で半数以上(55.2%)、「ファッション」で3割以上(34.5%)、「家電」でも3割以上(32.5%)と、各カテゴリーで、フリマサービスが一定の層の買い替え・購入意欲を促進していることがわかりました。
また、実際にフリマサービスで売却したことがある人の5〜6割は、それぞれのカテゴリーにおいて買い替え・購入頻度が増加したと回答。意欲だけでなく、消費行動の促進に結びついているという結果になりました。
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推し活をする人の半数以上(55.2%)は、「フリマサービスで保有グッズが売れることで、他の推し活グッズを買いやすくなっている」
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推し活グッズを、フリマサービスを通じて交換しあう「推し活循環社会」
「推し活(エンタメ・ホビー)」においては、推し変、あるいは推し以外のグッズを他の人に譲るなどの際にフリマサービスを利用し、「フリマサービスで保有グッズが売れることで、他の推し活グッズを買いやすくなっている」という人は半数以上(55.2%)にのぼっています。推し活グッズをフリマサービスで売ったことがある人の理由として最も多かったのが「譲りたい」(44.0%)という意向でもあったことから、フリマサービスを介し、自分の推し活だけでなく、人の推し活についても、推し活グッズの循環によってサポートしあうような傾向、言うならば「推し活循環社会」といった消費行動が見て取れました。
推し活(エンタメ・ホビー)の調査結果詳細
https://about.mercari.com/press/news/articles/20231108_categorysurvey_1/
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フリマサービス利用者の75%が「衣替えを実施している」と回答、フリマサービス非利用者の1.5倍の割合に
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特定の時期にまとめてではなく、都度欲しいファッションアイテムに入れ替える「衣替えの消候化」
「ファッション」においては、全体の35%、約3人に1人が、フリマサービスがあることで、ファッションアイテムの買い替えがしやすくなっていると回答。とりわけ、フリマサービス利用者と非利用者で衣替えの傾向に差が出ており、フリマサービス利用者は衣替えを実施している(約75%)と回答した一方で、非利用者は衣替えをしていないという回答が約半数に。
また、ファッションアイテムの買い替えを考えるタイミングを世代別に見てみると、衣替えの理由の筆頭である季節の変わり目以外にも、Z世代はメディアで見たときや新作発表、給与や収入があった時など、買いたい時に買い替えをしている傾向が見て取れました。
こうした背景から、とりわけ、Z世代を中心に、季節の変わり目など特定の時期にまとめて衣替えするのではなく、その都度必要なアイテムに入れ替えていく「衣替えの消候化」といった傾向が明らかになりました。
ファッションの調査結果詳細
https://about.mercari.com/press/news/articles/20231108_categorysurvey_2/
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フリマサービス利用者は「壊れたとき」以外でも生活家電の買い替えを検討する意向が高い
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壊れるより前に高く売ってお得に次の家電へ購入する「買い替えサイクルの短縮化」
「家電」においては、取引を約8割が経験しており、フリマサービスの主な利用カテゴリーになっています。フリマサービス利用者に生活家電買い替え時の処分方法を伺うと、「粗大ごみで出す」(55.6%)、「家電量販店・リサイクルショップへ下取り」(45.8%)、「回収業者に引き取ってもらう」(39.2%)に次いで、「フリマ・オークションサービスで売却する」(20.6%)と、5人に1人が利用する結果となっており、処分手段の選択肢のひとつとして利用されてきていることがわかりました。
さらに、生活家電の買い替えは「壊れた・調子が悪くなった時」がフリマサービス利用経験有無によらず多数となっていますが、特に「フリマサービス利用者」は、壊れた時以外でも買い替えを検討する意向が高い回答に。壊れる前のリセールバリューが高い状態でフリマサービスを利用し売却、その後新品や新古品など新たな家電をお得に購入する消費行動が背景にあるとみられ、壊れるまで使うという従来の消費傾向とは異なる「買い替えサイクルの短縮化」が明らかになりました。
家電の調査結果詳細
https://about.mercari.com/press/news/articles/20231108_categorysurvey_3/
【調査概要】
調査時期:2023年10月21日(土)~10月23日(月)
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国、18〜57歳、男女600名
調査機関:シグナルリサーチ
※グラフ内の数値は小数点第二位以下四捨五入しているため、合計が100%にならないことがあります