2021年春に韓国で刊行、口コミで売れ続け、ついにはミリオンセラーとなり、昨夏に刊行された続編と合わせ累計150万部(2023年6月現在)、2022年のベストセラーとなった小説『不便なコンビニ』をいよいよ日本で刊行します!
すでに16カ国での出版が決定、一足早く刊行された台湾では翻訳小説部門でベストセラーとなり、英語圏では大手ハーパーコリンズ社の版権獲得が大きな話題になっている。今春からはソウルの演劇街・大学路(テハンノ)で舞台版が無期限上演され、大ヒット作『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』を手がけたENAチャンネルによるドラマ化も決定。韓国では原書に似せた店の外観の装幀本が次々と出版され、さらにはこの本をきっかけに「Kヒーリング小説」というジャンルまで誕生。まさに社会現象となっている。
下町風情が残るソウルの青坡洞(チョンパドン)にあるひなびたコンビニを舞台に、深夜シフトのアルバイトとして雇われた記憶喪失の元ホームレスの男と、オーナーや店員、客との交流とそれぞれの再生を時にユーモラスに、時にシリアスに描いた本作。誰もが生きづらさを抱えて生きるなかで、人生における「不便」の愛おしさ、人と人とのささやかな関わりの大切さが伝わる、8篇からなる連作短篇だ。
日本での出版を記念し、著者のキム・ホヨン氏から日本語のメッセージ動画が届きました。キム氏はかつて出版社で様々な日本の小説を韓国で紹介してきた経験があり、その日本で自著が紹介されることを殊更感慨深く感じていると語っています。
さらに、本国の出版社制作のあらすじ動画も公開。記憶喪失の主人公「独孤(トッコ)」の謎という、本作のミステリー要素の魅力が伝わってくる動画です。
今の韓国を代表する小説『不便なコンビニ』。ぜひ韓国文芸の底力を感じてください。
『不便なコンビニ』
キム・ホヨン:著/米津 篤八:訳
1,760円(税込)四六版、並製、290ページ
ISBN978-4-09-356746-6 小学館
2023年6月21日頃発売
https://www.shogakukan.co.jp/books/09356746
著:キム・ホヨン(김호연) ……1974年生まれ。高麗大学国語国文学科卒業。2013年に長編小説『望遠洞ブラザーズ』で世界文学賞優秀賞を受賞。他の作品に『恋敵』(2015)、『ゴーストライターズ』(2017)、『ファウスター』(2019)、エッセイ『毎日書いて、書き直して、最後まで書きます』(2020)、『キム・ホヨンの作業室』(2023)など。
訳:米津篤八(よねづ・とくや)……早稲田大学政経学部卒、朝日新聞社勤務を経て、朝鮮語翻訳家。訳書に『チャングム』キム・サンホン、『夫・金大中とともに』李姫鎬、『誘拐の日』チョン・ヘヨン、『おばあさんが帰ってきた』キム・ボムなど。