「知って、肝炎プロジェクト」は、2012年より、肝炎に関する知識や肝炎ウイルス検査の必要性を分かりやすく伝え、あらゆる国民が肝炎に対する正しい知識を持ち、早期発見・早期治療に向けて自ら積極的に行動していくことを目的として活動しております。
この度2月15日(水)に、「知って、肝炎プロジェクト」肝炎対策広報大使を務める徳光 和夫氏が京都府の歯科・医科医療機器メーカーである株式会社モリタ製作所を訪問し、“ウイルス性肝炎”をテーマに、役員の皆様との対談や、従業員の皆様に向けたトークイベントを実施しました。
【イベントレポート】
■肝炎ウイルス検査を通じて、陰性ならば「安心」 、陽性ならば「発見」できる機会に。
株式会社モリタ製作所を訪問した徳光氏は、株式会社モリタ製作所 代表取締役社長の田中 博氏、そして取締役の阪野 悦生氏と面会し、肝炎対策をテーマに対談を行いました。対談には、京都府立医科大学大学院医学研究科の山口寛二先生にもご参加いただきました。
最初に、山口先生より、ウイルス性肝炎について「B型肝炎やC型肝炎は、ウイルス性肝炎の中でも、“慢性的”に感染が持続してしまう病気です。感染すると、炎症が繰り返され、肝臓が徐々に硬くなり、肝硬変という別の病気に重症化してしまいます。肝硬変になってしまうと、肝がんになりやすくなる非常に重篤な状態になるのですが、症状としては体に現れにくいことから、そのまま気づかずに放置してしまうことが、怖いところです。」と、説明されました。
徳光氏は、続けて「もし、検査結果として陽性が判明した方がいらっしゃったら、精密検査をご案内したり、治療に取り組んでいただくように、社員の方へのフォローアップをお願いしたいとおもいます。万が一陽性であっても、仕事と治療を両立できるよう、サポートをお願いいたします。」と発言しました。
対談の中で、株式会社モリタ製作所では、以下のような肝炎対策の取り組みを行っているとの説明がありました。
・35歳以上の従業員に対しては、毎年受診する人間ドックを通じて、B型肝炎ウイルス検査を実施
・製品のメンテナンスなど、血液に触れるリスクのある従業員においては、B型・C型肝炎ウイルス検査を実施
・海外駐在員においては、B型肝炎のワクチン接種を実施(地域によってA型肝炎も接種)
モリタ製作所の田中氏からは、「社員の健康づくりのための支援は、自社としても最重要で取り組むべき事項と捉えています。自社のみならず、関連会社にも、業務上、製品メンテナンス等で血液に触れるリスクがある従業員がいまして、肝炎の感染経路のひとつになる可能性があると感じました。あらためて担当社員への肝炎の啓発、および検査の体制を整えていきたいと思います。」と、お話しいただきました。
■改めて検査結果に注目して、肝炎ウイルスに感染していないか確認を。
同日、従業員の皆様に向けて、肝炎をテーマにしたトークイベントも開催しました。トークイベント冒頭に、徳光氏は、「実は、このイベントの前に、モリタ製作所の工場へお伺いして、皆さんが働く様子を見学させていただきました。働かれている様子をみて、“切磋琢磨”の精神が工場で勤務されている皆さん一人ひとりに宿っていることから、これほどまでに精密で素晴らしい製品が出来上がっているのだと感じました。」とコメントしました。
続いて肝炎対策について言及すると、「皆さんには、肝炎が知らない間に重症化して、肝がんになることの怖さを知って欲しいです。また一方で、医療の発達により、治療によってその怖さを除くことができる方向に、日々前進しています。皆さんには改めて検査結果に注目いただき、肝炎ウイルスに感染していないか確認いただきたいです。」と、声を強くして、従業員の皆さんに呼びかけました。
山口先生からは、「肝疾患に関する基礎的な知識を提供したり、ご相談に対応できるように、京都大学医学部附属病院と京都府立医科大学付属病院では、肝疾患相談センターという窓口を設けています。また、肝炎を専門に扱っている病院は、京都府内に多くありますので、何か不安に感じることがあれば、最寄りの病院にて、気軽に話をうかがっていただければと思います。」と、京都府としても、安心して治療と向き合える体制を整えていることを紹介しました。
■開催概要
■日時 : 2023年2月15日(水) 16:00~17:35
■催事名 :株式会社モリタ製作所 企業訪問 啓発イベント
■開催場所 :モリタ製作所 本社
■出席者 :「知って、肝炎プロジェクト」 肝炎対策 広報大使 徳光 和夫氏
京都府立医科大学大学院医学研究科 消化器内科学教室 准教授 / 京都府肝炎対策協議会 委員 山口寛二 氏
株式会社モリタ製作所 代表取締役社長 田中 博氏
株式会社モリタ製作所 取締役 阪野 悦生氏