国立劇場 令和4年6月邦楽公演「日本音楽の流れⅤ ―打楽器―」
鼓や太鼓の魅力あふれる作品を、雅楽、能楽、長唄、創作太鼓、現代曲さまざまな分野の演奏でお楽しみください。本シリーズの最終回、どうぞお聴き逃しなく!
日本の伝統楽器に注目し、その歴史的な変遷とともに音楽の魅力を紹介する日本音楽の流れ。本シリーズではこれまで箏、琵琶、三味線、笛・尺八といった楽器を特集してきましたが、今回は打楽器に焦点を当ててお送りします。
雅楽 「青海波 舞楽吹き」
古代、日本には大陸から様々な打楽器が伝来しました。平安期以前からの歴史を持つ雅楽には、鞨鼓・太鼓・鉦鼓という三種類の楽器が用いられています。「青海波」は海に由来する作品で、千鳥掛けや男波女波といった特殊な奏法で波の表情を描きます。
能楽 居囃子「天鼓 盤渉」
室町期に大成した能楽には、小鼓・大鼓・締太鼓という打楽器が使用されます。「天鼓」は管絃法要の功徳を讃えた作品で、曲の後半では「楽」という格調高い演奏がなされます。今回は「盤渉」という雅楽由来の特別な演出を施しお聴きいただきます。
長唄 「狂獅子」
江戸時代、長唄は歌舞伎とともに発展しました。「狂獅子」は文殊菩薩に仕える獅子が牡丹に戯れ舞い遊ぶ様を描いた作品です。ここでは蝶に加え鳥も登場し、小鼓・大鼓・締太鼓の長唄囃子と三味線の掛合いが一層鮮やかに演奏されます。四世藤舎呂船作調。
実演・解説「アジアと日本の打楽器」
演奏でお聴きいただく打楽器のほか、歌舞伎の蔭囃子で用いている鳴物等、普段なかなか見ることのできないものを中心にご紹介します。日本とアジア各地で伝承されている楽器の関係性についても、実演や映像スライドを交えて解説します。
創作太鼓「祭囃子組曲 ほか」
和太鼓は、日常生活や祭礼行事等さまざまな場面で用いられます。本曲では祭囃子に用いられる曲をもとに、創作的な要素を取り入れて上演します。民俗芸能のエッセンスを取り入れながら多彩に発展した和太鼓の迫力ある演奏をお楽しみください。
現代曲「虚階都市」新作委嘱初演 作曲=山根明季子
虚階とは仏教儀礼で用いられている概念で、演奏の振りで音の存在を表現する打楽器奏法の一つです。古くからの伝統と新しい文化が混在する現代社会。都市空間を表象した作品を委嘱初演します。日本の伝統的な打楽器の可能性を拓く新作にご期待ください。
国立劇場 令和4年6月邦楽公演
日本音楽の流れⅤ ―打楽器―
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2022/4612.html
【雅楽】青海波 舞楽吹き 笙=真鍋尚之/篳篥=大窪永夫/龍笛=安斎省吾/鞨鼓=豊 英秋/太鼓=池邊五郎/鉦鼓=田中康真
【能楽】居囃子 天鼓 盤渉 謡=坂口貴信・林 宗一郎・川口晃平/笛=竹市 学/小鼓=飯田清一/大鼓=亀井広忠/太鼓=大川典良
【長唄】狂獅子 唄=今藤長一郎・杵屋巳之助・杵屋喜太郎/三味線=今藤長龍郎・今藤政十郎・今藤龍市郎/笛=藤舎推峰/小鼓=藤舎呂英・藤舎呂近/大鼓=望月太津之/太鼓=藤舎円秀
【実演・解説】アジアと日本の打楽器 森重行敏(洗足学園音楽大学客員教授)/望月太左衛(邦楽囃子方)
【創作太鼓】祭囃子組曲 ほか 笛=吉井盛悟/平胴大太鼓=山部泰嗣/長胴太鼓=神谷俊一郎・佐野健士龍/桶太鼓・締太鼓=見目 萌/チャッパ=小池将也
【現代曲】新作委嘱初演 虚階都市 作曲=山根明季子 囃子=望月秀幸・望月左太寿郎・安倍真結/三味線 =簑田弘大・佐藤さくら子/笙=管原ユーリ/エレクトロニクス=有馬純寿
令和4年度日本博主催・共催型プロジェクト
主催=独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
協力=宮本卯之助商店
【日時】
令和4年 6月18日(土)12時開演(午後3時終演予定) ※休憩あり
国立劇場 小劇場 (〒102-8656 千代田区隼町4-1)
【料金】
全席指定 5,500円 (学生 3,900円)[いずれも税込]
※障害者の方は2割引です。また車椅子用スペースがございます。
好評販売中
チケットのお求めは
国立劇場チケットセンター 0570-07-9900 03-3230‐3000(一部IP電話等)
[インターネット予約] https://ticket.ntj.jac.go.jp/
国立劇場について
日本の伝統芸能の保存及び振興を目的として昭和41年(1966)に開場。外観は奈良の正倉院の校倉造りを模している。大劇場・小劇場・国立演芸場・伝統芸能情報館を備え、多種多様な日本の伝統芸能を鑑賞できる。初心者や外国人を対象とした解説付きの鑑賞教室も開催している。
所在地:東京都千代田区隼町4-1
03-3265-7411(代表)
https://www.ntj.jac.go.jp/