シン・皇室への四つの提言/追悼・中村吉右衛門さん/隙だらけ日本襲う「オミクロン危機」/12月7日発売
「あなたは岸信介さんの孫だし、戦前の日本に戻す“歴史修正主義者”だと、米国は疑っている。とんでもないことだと」。安倍晋三首相(当時)が靖国神社を参拝した2013年12月26日、田原総一朗さんは官邸で安倍氏に会って、そう伝えたと振り返ります。第1次政権ができる前から「戦後レジームからの脱却」を掲げてきた安倍氏。その主張は、米国からは「歴史修正主義」と見られると、田原さんは警告したのです。「よくわかりました。田原さんのおっしゃるとおりです」と返した安倍氏はその後、靖国参拝、戦後レジームからの脱却、東京裁判批判の三つを封印。結果的に歴代最長政権を記録しました。しかし、長期政権は一方で、森友問題や加計問題、「桜を見る会」をめぐる問題などの弊害にもつながりました。毀誉褒貶が激しい安倍氏について、田原さんはどう評価するのか。読み応えのある「通信簿」となりました。
その他の注目コンテンツは、
●このままでは“断絶”の危機…令和の「シン・皇室」への四つの提言
コロナ禍で皇室全体が見えにくい状況が続く中で起きた秋篠宮家の長女・眞子さんの結婚をめぐる騒動は、国民の皇室への不信感や、皇室内の「女性差別」といった問題を浮き彫りにしました。令和の時代に適応した皇室へと変わらなければ、今後は存続さえ危ぶまれるとの指摘もあります。政治学者の原武史さん、憲法学者の石川健治さんと八木秀次さん、歴史学者の河西秀哉さんの4人に、今後の皇室制度のあり方について率直な提言をしていただきました。皇族方の肉声が聞こえない「菊のカーテン」問題についても考えます。
●追悼・中村吉右衛門さん 芸に厳しく、人に優しく生きて磨いた「男の色気」
歌舞伎界の星がまた一人、旅立ってしまいました。弁慶や熊谷直実など多くの当たり役を持ち、ドラマ「鬼平犯科帳」などでもお茶の間に愛された人間国宝・中村吉右衛門さんが77歳で亡くなりました。「鬼の播磨屋」と言われるほどの芸に対する厳しさと、舞台裏での優しさと。二つの面を持った素顔を振り返りました。NHKの時代劇「武蔵坊弁慶」で共演した俳優の川野太郎さんにも、撮影当時の思い出を振り返っていただきました。
●水際対策の“穴”とブースター接種の遅れ…隙だらけ日本を襲う「オミクロン危機」
束の間の落ち着きを見せていたコロナ禍に急展開です。感染力の強い新たな変異「オミクロン株」が、あっという間に世界を席巻。危機に対して相変わらず隙だらけな対応が続く日本は、この脅威を乗り越えられるのか──。水際対策の“穴”やブースター接種の遅れなど、深刻な問題点が見えてきました。年末にかけて行われるスポーツイベントや、来年2月の北京冬季五輪への影響についても調べました。
週刊朝日 2021年 12/17号
発売日:2021年12月7日(火曜日)
定価:440円(本体400円+税10%)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09L4Z7H53