毎週月曜日24:00~24:30『三宅健のラヂオ』DJ:三宅健
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- セットリストに込めたV6の思い
「最後の全国ツアーでは、ファンの悲しみをあおるようなことはしたくなかったし、湿っぽい雰囲気も出したくなかった。だから僕たちはこのツアーでメンバー個々の挨拶をあえて行いませんでした。11月1日のラストライブでもそのつもりだったんですが、アンコールでファンの皆さんから嬉しいサプライズがあったので、それに応えるかたちで当初は予定してなかったメンバー個々の挨拶を行いました。さすがにこのときばかりはみんな感極まって、涙をこらえるので必死でした」
三宅健はV6最後の全国ツアー「LIVE TOUR V6 groove」の千秋楽を振り返り、こう語った。
21年3月12日、V6はデビュー26周年の記念日にあたる11月1日に解散すると発表した。この年の大みそかに活動を休止するというアイデアもあったが、「(生みの親である)ジャニーさんが作ってくれたものを、一番きれいな形で大切な箱にしまう」※べく、V6がデビューした日にラストライブを行い、ファンのために、ファンの前でV6としての活動に終止符を打つことにこだわった。しかし、三宅は「この日を特別な1日にはしたくなかった」と、一見アンビバレントにも感じる思いを吐露する。
「今回のライブのセットリストにも、この思いが反映されています。僕たちの最後のオリジナルアルバムのタイトルは「STEP」。きっと多くのファンが待ち望んでいるであろう、いつも明るく楽しいV6のままで、最後の花道を6人でステップしながら進んでいく姿を、目に焼き付けてほしかったです」
26年間の活動の集大成となる場で披露した曲数は41に及んだ。アンコールには53枚目のシングル「僕らはまだ/MAGIC CARPET RIDE」に収録されている「95 groove」を選んだ。新世代のラッパー・Rin音が提供した、ミディアムテンポのサウンドとスムースに流れるラップがとても心地良いナンバーだ。
「最後の1曲は僕から提案しました。次にライブをやるときに、ぜひ披露したいと思っていたナンバーです」
ラストライブから約3時間後には『三宅健のラヂオ』初の生放送に臨んだ。三宅個人のInstagramのアカウント開設を発表し、番組と連動しながらライブ配信を行った。そして、番組の後半には井ノ原快彦と長野博が“乱入”してくるという、想定外の展開が待っていた。
「本当はV6全員で生放送をやってみたかったのですが、番組が森田(剛)君のジャニーズ事務所退所日の翌日だったこと、ライブ後にご挨拶をしていたこともあって、無理にメンバーを誘うことはしませんでした。そんな中、井ノ原君は僕がこの後ラジオの生放送が控えていることを知っていて、ご挨拶を途中で抜けてスタジオに移動した僕のことを「健、1人で大丈夫か?」と気にかけてくれ、長野君とともにサプライズでゲストとして参加してくれました。嬉しかったです」
こうして、V6は最後までV6らしく、明るく楽しく、26年間の活動に幕を閉じた。
※「三宅健のラヂオ」21年3月15日放送より
- ラジオだからできる“特別感”を
『三宅健のラヂオ』が放送を開始したのが05年4月。この16年の間にラジオを取り巻く環境は劇的に変化した。その契機となったのが、11年にスタートした「radiko」だ。PC、スマートフォンからラジオを聴くことができるこのサービスは、放送開始から1週間以内であればいつでも番組を聴くことができる。さらに、関東圏外のリスナーもプレミアム会員になればbayfmを聴くことができるようになるなど、radikoはリスナーから「時間」と「場所」の制約を解き放った。
「ラジオはこれまで以上に気軽に楽しむことができるメディアになったと感じます。以前、みんながどうやってラジオを聴いているか、番組内で実態調査を行ったことがあるのですが、クリアな音声を求めて車内や風呂場などあちこち移動したり、冬の寒い中、ベランダでダウンを着て、ラジオ機のアンテナを立てながら聴いているというリスナーもいたくらいですから」
そう言う三宅に今後、番組でやりたいことを問うと、ちょっと悩んだ末に「生放送を事前告知なしでやってみたい」と答えた。
「確かに、ラジオはいつでもどこでも自由に楽しめるようになりました。けど、中には毎週リアルタイムで欠かすことなく、聴き続けてくれるリスナーがいます。そんなリスナーへの感謝の気持ちと実験的な意味合いを込めて、いつか事前告知なしで生放送をやってみたい。収録とはちょっと違う雰囲気の番組に、どれくらいのリスナーが生放送であるか気が付くのか検証してみたくて。これは、radikoのタイムフリー機能では味わうことができない、ラジオ本来の楽しみ方だと思います」
情報過多の時代と言われて久しい。radikoだけでなく、TwitterやInstagram、YouTubeなど、スマートフォンの普及を契機に加速度的に広がる“手の平”を中心としたエンタテインメントの世界は、日進月歩で変化を続けている。しかし、三宅の根底にある、いつもリスナーのことを第一に思い、彼ら・彼女らをいかにして楽しませるかを考える、アイドル・エンターテイナーとしての矜持は、揺るがない。
「ラジオは落語に似ていると感じることがあります。DJは声だけが頼りなので、わかりやすく伝えるためには考えながら喋らなければならないし、リスナーも僕の表情を思い浮かべなければならない。情報が過剰に与えられがちな今、話し手と聞き手の双方が想像力を膨らませながら楽しむラジオの良さを、僕は再認識しています」
「それに、ラジオには映像や写真といった視覚的な情報がないので、リスナーはテレビよりも落ち着いた状態で向き合えると思うし、DJである僕にとっても、ラジオだから発することができる声のトーンと、ラジオだからできるトークがある。僕はこれからも、ラジオというメディアでしかできない“特別感”を追求していきたいです」
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- 番組概要
三宅健のラヂオ
放送局:bayfm
放送日時:毎週月曜日24:00~24:30
DJ:三宅健
番組ホームページ:https://www.bayfm.co.jp/program/miyake/