「Let‘s talk! in Sanrio Puroland」イベント開催 「元気だからこそ検診を受けて」 「罹患した人の体験から学ぶことが大切」「タブーを話せる環境を作ることが第一歩」
トークセッションでは、まず初めに国連人口基金(UNFPA)駐日事務所長の成田詠子氏が登壇し、「子宮頸がんは誰にでも起こりうること。自分への思いやりと考えてワクチン接種を受けて欲しい」と呼びかけました。また、女性の健康課題を学び合う“ポーラ異業種合同参加型プロジェクト”「タブーを自由にラボ」からはラボの紹介と実際にラボで発案されたプロジェクトの発表がありました。そして、婦人科医の稲葉可奈子先生は子宮頸がんについて、むらさき乳腺クリニック五反田院長 池田紫先生は乳がんについて話しました。最後のセッションでは、成田詠子氏のほか、株式会社ポーラ 代表取締役社長 及川美紀氏、富国生命保険相互会社 埼玉支社 営業次長 津田朋美氏が参加し、「知ること・学ぶこと・サポートすることが大切」、「きちんと学んだ人からの正しい情報を得る大切さ」を改めて再確認し、イベントは終了しました。
セッション参加者のからは「自分の身は自分で守らないといけない」「婦人科医の話を聞いて自分が誤解していたことがわかった」、「さっそく検診の予約をしました」などの感想の声がありました。
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オープニングセッションに国連人口基金(UNFPA)駐日事務所長の成田詠子氏が登壇
成田氏は、「米国では約58%の13歳以上の少女がワクチンを受けているが、日本では子宮頸がんに罹患し、亡くなる人が増えているにも関わらずワクチン接種率が低い。子宮頸がんを引き起こすHPVが性的接触で感染するため、このがんに対して偏見がある、こういった場で偏見なく考えることが必要」と述べました。また、自身のワクチン接種の経験を紹介しながら、「子宮頸がんは誰にでも起こりうることだと感じた。自分への思いやりと捉え、またその思いやりを大切な人にもシェアし、知識を深めて欲しい」とコメントしました。最後にLet’s talk!の創設者でもある世界的スーパーモデル、ナタリア・ヴォディアノヴァ氏のビデオメッセージで締めくくりました。
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セッション#1 「16社の悩める女性が考えた、わたしたちの“モヤモヤ“」
株式会社ポーラが主催する女性の健康課題を学び合う「タブーを自由にラボ」から、株式会社ポーラの馬庭千晶氏、fermata株式会社の太田冴氏、株式会社サンリオエンターテイメントの北村萌香が参加し、女性の健康課題と女性活躍推進について議論を交わしました。
馬庭氏は「話せない、声に出せないことが一番のネック。まずは会話ができる場所を増やして、その先で解決策を考えていきたいと思いラボを立ち上げた」と経緯について説明しました。
そして「婦人科に行くのが怖い」、「出産や更年期などでキャリアを考えるのが難しい」、「女性だけ出産のタイムリミットがあるのは何故?」など、ラボであげられたもやもやについて紹介し、フェルマータの太田氏は「女性活躍推進はキャリアを軸に話されることが多いが、女性の健康課題が深く関わっていることがもっと知られるべき」と意見を述べました。北村は「福利厚生には女性特有の健康課題を解決するものが無いため、悩みを見える化し解決する「Fem care benefit」というプロジェクトを発案し、来月から社内のトイレで生理用品を無償で設置することが決定。実際に使う事自体をタブーにしないようにすることが大切」とコメントしました。
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セッション#2 「~未来を守る~子宮頸がん検査とワクチン」
子宮頸がんについて、関東中央病院産婦人科の稲葉可奈子先生は、「がん検診というともっと歳をとってからのイメージの人が多いと思うが、子宮頸がんの患者で一番多いのは20代後半から40代なんです」と、会場にいる参加者に呼びかけました。また、子宮頸がんの原因となるウィルスHPVを予防するワクチン接種は、小学校6年生から高校1年生までは無料で接種でき、また、1997~2007年度生まれの女性は特例で2024年度まで無料で接種できる、と説明しました。
子宮頸がんの症状について、「子宮頸がんの特徴は初期は何も症状がないこと。出血のイメージがあるかもしれないが、もし症状として出血があったらかなり進行している段階。検診で発見できるときは、かなり前の段階なので『私は元気だからだいじょうぶ』ではなく、元気だからこそ検診を受けて欲しい」と訴えました。
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セッション#3 「女性ががんになるということ」
株式会社サンリオエンターテイメントの代表取締役社長の小巻は、乳がんサバイバーとしての体験を語る中で「乳がんになる人は今は8人に1人ぐらいに増えていて、がんと言われることが本当に多い世の中。『ならないために』というメッセージが多いが、なってしまったらどうしていけばよいのか、仕事はどうするのか?友人や家族との関係はどうなる?という話を皆さんに聞いていただきたいと思っていた」と述べました。
むらさき乳腺クリニック五反田院長 池田紫先生は、「セルフチェックでしこりがなくても、乳がんのタイプによってはしこりが分かりにくいものがある。だからこそ検診を受けて欲しい」と訴えました。
小巻は「仕事は整理して、頼むべきことは頼んだが、手術した後のことはどうなるか分からないので考えるのはやめた」と話しました。池田氏は「乳がんであることを隠している人は多い。私の患者さんには、ご家族、友達、同僚など理解ある人に説明するので連れてきて欲しいと伝えている」と話すと、「ひとりで悩まず、周りの人に話して欲しいし、会社としてもそういった機会や制度を作っていきたい」と小巻もコメントしました。さらに池田氏は「世の中は便利になってきているので、もしがんになっても使えるリソースは使ったほうが良い。また、周りに申し訳ない、迷惑をかけてしまうという理由で仕事を辞めてしまう人がいるが、とにかくしがみついてでも仕事は辞めないで欲しい」と訴えました。
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セッション#4 「身体/病気/社会の仕組みを正しく理解することの重要性」
株式会社ポーラ代表取締役社長の及川氏は「自分のチームにがんに罹患していなかった人はいない。それぐらい身近な事ではあるが、会社に相談できなくて悩んでいる人も多い。そこで当社では『がんフレンドリーアクション』というがんについて知る・学ぶ・サポートするという活動を行っている。特にロールモデルとして、社員の体験談から学ぶことが大切」と社内の活動を紹介しました。
富国生命保険相互会社 埼玉支社 営業次長 津田朋美氏は「10代~40代までの保険の給付金は女性の方が多く、その中でも子宮系が多い。若い方はがん保険だけではなく、今は予防のための特約や仕事ができなくなった時の給付金もある」と説明し、小巻も「治療費以外にも、ちょっとした事でも余裕があると精神的にも癒されるので、若い人ほど保険は入って欲しい」と述べました。
国連人口基金(UNFPA)駐日事務所長の成田詠子氏は「子宮頸がんは女性の疾患だが、国によっては男性と一緒でないと病院にも行けないところもある。その根底にはジェンダーの不平等がある」と国際的な課題を提言しました。また、及川氏は「ネットで情報を得ることが多いと思うが、フェイク情報も多い。検診の重要性、予防できるものにどういうものがあるのか、病院、行政、企業からの情報を多角的に得るべき」と述べました。最後に小巻は「まず語ってみるというのは大事な一歩。今日参加された方の何かのきっかけになることを期待している。また、乳がんは8人に1人がなる病気、子宮頸がんはワクチンでほぼ予防できる疾患なのにまだ命を落とすことがある。これからもこういった語りあえる場を作っていきたい」と締めくくりました。
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会場の様子
★Let’s talk! in Sanrio Puroland 11月23日イベントアーカイブ動画
本イベントのアーカイブ動画をサンリオピューロランド公式YouTubeにて公開しています。
https://youtu.be/1x2OUyDCQAQ?t=617
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「Let‘s talk! in TOKYO」について
「Let‘s talk !」は、女性にまつわる話題の中で、「タブー」とされやすい課題について、オンライン、オフラインで国内外の声を集め、対話が広がることを通して、女性たちのQOL向上、エンパワーメントに貢献するムーブメントです。女性の健康に関連する様々なタブーや偏見を乗り越え、オープンに語り合い、具体的なアクションにつなげる対話型のプラットフォームとして、世界的スーパーモデル、ナタリア・ヴォディアノヴァ氏と国連人口基金(UNFPA)が協力し、このムーブメントは世界中で展開されています。
2021年に開催されたLet’s talk! in TOKYOは、初潮、生理痛、生理用品、子宮頸がん、Femtechなど、女性にまつわる話題の中で、「生理」をテーマとした“タブーとされやすい課題”について対話を広げて実施しました。
<Let’s talk! の歩み>
2018年 UNFPAとナタリア・ヴォディアノヴァがトルコ、アンタルヤにてスタート
2019年 ナイロビにて開催
2021年 Let’s talk! in TOKYO 開催 テーマ:「生理」
本イベント公式サイト:https://letstalk.tokyo/
本イベント公式X(旧Twitter):https://twitter.com/letstalktokyo21