金曜日, 11月 22, 2024
ホームイベント「歌舞伎町アートセンター構想委員会」発足!第一弾は、Chim↑Pom from Smappa!Group による新プロジェクト「ナラッキー」が、2023年9月2日より歌舞伎町王城ビルにて開催!!

「歌舞伎町アートセンター構想委員会」発足!第一弾は、Chim↑Pom from Smappa!Group による新プロジェクト「ナラッキー」が、2023年9月2日より歌舞伎町王城ビルにて開催!!

テーマは「奈落」。2023年11月に開催される第3回歌舞伎超祭とのコラボレーションも

プロジェクト名「ナラッキー」
Chim↑Pom from Smappa!Group
会 期:2023年9月2 日(土)〜10月1 日(日)火曜日休館

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  • 「歌舞伎町アートセンター構想委員会」 発足

街の守護神である歌舞伎町弁財天(歌舞伎町公園)に隣接する王城ビルは、1964年の竣工と歌舞伎町古参の建物で、城を模した独特のデザインで愛されながら、当初は名曲喫茶、キャバレー、カラオケ店、居酒屋へと業態が変化し、2020年3 月まで続いてきました。

2022年大晦日のWHITEHOUSE によるカウントダウンパーティーを皮切りに、EASTEAST_やHEAVENのワンナイトパーティーの開催など、試験的にイベントを繰り返してきました。

この流れを受けて、任意団体「歌舞伎町アートセンター構想委員会」が立ち上がります。

今後、王城ビルが街に愛され、街と人をつなぐ交歓・交流の場として、東京・歌舞伎町のアートのハブとしての役割を担うために、どのような機能を持った場が必要かを検討し、提案していきます。

委員会からの提案による、記念すべき第一弾は、大星商事株式会社(王城ビル所有者)とChim↑Pom from Smappa!Groupのプロジェクト型展覧会「ナラッキー」を開催いたします。本展にていよいよ全館を使用し、来年以降の本格始動へと向けた第一歩といたします。

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  • プロジェクトについて

王城ビルには約30年間閉ざされてきた4 フロア分の吹き抜けがあります。建物のデザインからして城の裏側といったその空間に、Chim↑Pom from Smappa!Group(以下Chim↑Pom)が新作インスタレーションを制作、常設設置を試みます。

そのお披露目を兼ねた展覧会を、パフォーマンスや音楽などと絡めて開催。レストランや各種イベント、シ

ョップもChim↑Pomが手がけ、1 カ月限定の「Chim↑Pom from Smappa!Group による美術館」のような

施設を仮設します。

  • テーマは「奈落」

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歌舞伎町という名称は歌舞伎座を誘致しようとした戦後の都市計画に由来します。大建築禁止令などによってその目論見は頓挫しましたが、戦前新宿にあった「新歌舞伎座」(松竹)が3年ほどで大衆演劇の場に移ったことなども相まって、歌舞伎座という伝統と歌舞伎町という歓楽街のミスマッチは都市論や文化論で語られてきました。

都市論的にいえば、水辺という低地で発展した歓楽街と、高台で保守化する文化のコントラストを考察する『アースダイバー』(中沢新一)は、その冒頭でまさに王城ビルの隣の「歌舞伎町公園(歌舞伎町弁財天)」を取り上げることで論旨を明らかにしています。沼地を埋め立てたことを標すこの公園には、水の因縁として弁財天が祀られ、変わりゆく街の中で唯一変わらない場所として、街の精神性をいまに伝えてきました。

Chim↑Pomはそれらの文脈に閉ざされてきた吹き抜けを重ね、今回、その空間を「奈落」として読み取ることを試みます。

翻訳サイト「DeepL」では「The End」と訳され、落下事故やかつての暗い雰囲気などから、仏教用語で地獄を意味する言葉で名付けられた「奈落」。「奈落に落ちる」の慣用句に代表されるように、江戸時代には舞台の地下は忌まわしい場所として遠ざけられていたようです。実際、奈落で働く人々はかつて「穴番」と呼ばれ、その閉鎖性は底無しの穴や沼のように捉えられてきました。

Chim↑Pomは、歌舞伎への敬意と歌舞伎町の歴史への接続から、吹き抜け空間に実際の奈落で録音された歌舞伎公演の音を流します。録音は、歌舞伎界の新鋭として次世代を担い、現代アートに関する著作もある尾上右近の自主公演第七回『研の會』「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」公演中の奈落。

そこから何が聴こえているのか……。歌舞伎町に転送された環境音から、奈落のリアリティに迫ります。

また、吹き抜け空間にはセリも登場。カッティングしたトラスが上下するサイトスペシフィックなビルの彫刻作品となります。さらに、吹き抜け空間の上部階である屋上にも穴を開け、「奈落の底」である最下層部の床も解体。閉鎖空間を外へと接続し、奈落の概念を街と天へと上下左右に拡張します。

  • 歌舞伎超祭とのコラボレーション

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本展では今年3回目を迎える「歌舞伎超祭」のフィーチャーも特徴です。ドラァグクイーンやポールダンス、バーレスク、車椅子ダンサー、ファッションなどのパフォーマンスをミックスした歌舞伎町独自のフェスですが、その演者たちを迎え、彼ら・彼女らの動きから展示のエッセンスを作り出します。

彼らが体現してきた独自な歌舞伎町の風俗(時代や街の生活上のしきたりや有様)は、翻って、歌舞伎のルーツに接近するような逆転現象を生んできました。

そもそも、江戸時代の「二大悪所」は歌舞伎と遊郭であったと伝えられるほどに、歓楽街と芸能には強い関係があります。

歌舞伎の祖である出雲阿国は茶屋遊びのパロディとして登場し、その流行を広めたのは遊郭での「女郎歌舞『妓』」でした。ともに演者が女性であったことから、勃興当時の歌舞伎の「き」は女へんの「妓」が使わ

れていたと伝えられます。

また、野朗歌舞伎における女形を挙げるまでもなく、阿国一座の男装と女装をルーツとする歌舞伎の芸風は、昨今議論される性のトランスの歴史にも独自の示唆を与えるでしょう。

舞台という場を、能など異界のものから、人々の世俗やクィア的なるものへと解放した歌舞伎の革命性は、だからこそ、当時の男尊女卑的な価値観や道徳観においてさまざまな軋轢を生みました。発生から地芝居(素人歌舞伎)を通して全国に拡散された歌舞伎の成り立ちは、そのまま為政者による禁令との戦いの歴史であったと言えるでしょう。

「奈落」——。輝かしい表舞台を支える地下は、そのアンダーグラウンドな精神性を時間軸へと拡大して考えれば、プレッシャーに対して幾度も変異を繰り返してきた芸能の、その「スーパーラット」的な歴史が重なる空間として解釈出来ないか……。本展閉幕後も常設予定のこのインスタレーションは、歌舞伎町のアイデンティティや芸能・芸術の本来の姿を、将来にわたって確かめる場になるかもしれません。

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  • INFORMATION

ナラッキー

Chim↑Pom from Smappa!Group

会 期:2023年9月2 日(土)〜10月1 日(日)火曜日休館

会 場:王城ビル(歌舞伎町1−13−2) https://ohjo.jp

開館時間:15:00~21:00(最終入館 20:30)*1F レストランは22:00 まで営業

※ただしイベントによって時間変更予定

料 金:2,000 円(併設されるレストランは入場無料)

※学生の方は学生証提示で1,500円

※障がい者の方は手帳提示で1,500 円(付き添い1 名まで。なお、館内のバリアフリー未対応ですのでご留意ください)

※新宿区民の方は入館時証明書提示で100円引

※4歳未満無料、キッズルーム完備

オンラインサイト: www.hellonaraku.com

企 画:歌舞伎町アートセンター構想委員会、Chim↑Pom from Smappa!Group

主 催:大星商事株式会社、Chim↑Pom from Smappa!Group、Smappa!Group

共 催:ANOMALY

協 賛:東急歌舞伎町タワー

後 援:新宿区(予定)、歌舞伎町商店街振興組合、一般社団法人ナイトタイムエコノミー推進協議会

協 力:尾上右近事務所、OIP、無人島プロダクション、WHITEHOUSE、studio ghost、浅草公会堂

スペシャルサンクス:尾上右近

出演者:東京QQQ

アオイヤマダ×夢無子、KUMI、高村月×RYO SATO、MONDO、もしもしチューリップ(KUMI、山田ホアニ

ータ、ちびもえこ)×ANNA FUJIWARA、キリーシャクレイ×宮原夢画、平位蛙、かんばらけんた

キャスティング:Oi-chan

制作協力:

東弘一郎(あずま工房)、周防貴之、滝本信幸、松田修、渡辺志桜里、西村健太、稲永英俊、石谷岳寛、

山口淳、山村一輝、涌井智仁、福田亮、山本彩、笹原花音、西岡七歩子、板垣賢司

  • イベント(予定)

・会期中、毎週土曜日夜は、Smappa!Group プレゼンツ・涌井智仁、古藤寛也、シャララジマなどによる

イベントを開催予定。イベント中はいくつかの展示はご覧いただけません。

・9/12(火)は、Oi-chanオーガナイズイベントを予定しています。

・会期中、トークセッションも予定しています。

イベントの詳細は逐次こちらに更新いたします。(www.hellonaraku.com)

  • PROFILE

Chim↑Pom from Smappa!Group

卯城竜太・林靖高・エリイ・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀により、2005年に東京で結成されたアーティスト

コレクティブ。

時代のリアルを追究し、現代社会に全力で介入したクリティカルな作品を次々と発表。世界中の展覧会に参加するだけでなく、独自でもさまざまなプロジェクトを展開する。

結成当初より、「個と公」を表象した「都市論」をテーマに、さまざまなプロジェクトを公共圏で展開。毒に耐

性を持つネズミを捕獲する「スーパーラット」(2006-)、上空にカラスを集めて誘導する「BLACK OF DEATH」(2008, 2013)、メンバーのエリイの結婚式をデモとして路上で行った「LOVE IS OVER」(2014)などの他、自らのアーティストラン・スペースに公共のあり方を実践する「道」自体を敷地内に取り込んだ「Chim↑Pom通り」(2016-)など、ストリートの可能性を拡張してきた。

2017 年、台湾で開催されたアジアン・アート・ビエンナーレでは、公道から美術館内にかけて、200mの道「Chim↑Pom Street」を敷き、公私を超えた独自のレギュレーションを公布、ブロックパーティやデモの場となり、伝説となる。

2018年には、東京オリンピックに伴う再開発の中で、建て壊される直前の歌舞伎町のビルで制作したプロジェクト「にんげんレストラン」を発表。様々な人々と場所性が混じり合うライブなアートイベントとして、社会にスポンティニアスな生き方を提示し、大きな影響を与えた。

ほかにも大量消費・大量廃棄による環境問題や、メンバーの人生自体をテーマにした作品などにも取り組んできた。多くのプロジェクトを一過性のものとして消費せず/させず、書籍の刊行などによって議論の場やアーカイブを独自に創出。膨大なニュースの中で埋もれそうになってしまう事象への警鐘として、プロジェクトをさまざまな形に変容させながら継続している。

また同時代を生きる他のアーティストたちや様々なジャンルの展覧会やイベントの企画など、キュレーションも積極的に行い、アーティストの在り方だけでなく「周縁」の状況を変容、拡大させている。そのプロジェクトベースの作品は、日本の美術館だけでなくグッゲンハイム美術館、ポンピドゥセンターなどにコレクションされ、アジアを代表するコレクティブとして時代を切り開く活動を展開中。

2022年4月Chim↑Pom からChim↑Pom from Smappa!Groupへ改名。

……………………

Oi-chan

アンダーグラウンドで眠っている人材をミュージックビデオやCM などのメジャーシーンに送り出す事で、

見る人、関わった人の固定概念をぶち壊し、出演者の心と未来を広げる為に活動するキャスティングディ

レクター。

  • 歌舞伎町アートセンター構想委員会より

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●方山堯

ニューヨークのマンハッタンには、大規模・大衆的・ヒマワリ的存在の「ブロードウェイ」と、中小規模・前衛的・月見草的存在の「オフ・ブロードウェイ」「オフ・オフ・ブロードウェイ」があることで知られています。王城ビルは1964年の竣工以来、常に旧新宿ミラノ座、旧新宿コマ劇場、そして新築の東急歌舞伎町タワーといった街の巨人たちを微かに意識し、場を作り、そして発展してきました。これは決して今回のアートという文脈のみならず、これまで王城で名曲喫茶、キャバレー、カラオケ店、そして居酒屋を営む中で、常に”ブロードウェイ”を横目にしてきたと言えるでしょう。そこには”オフ” ”オフ・オフ”ならではの歴史があり、人の出会いがあり、そして想いが小規模ながら凝縮して染み込まれています。

今回のテーマである「表舞台」と「奈落」の関係性も、まさにこの考えに類するものと言えると思います。

祖父の代に造られたこの特異な建造物を引き継いでいくことこそが私の人生の使命ですが、今回のアートイベント、そしてこれから更に未来を創造する中で”オフ” ”オフ・オフ”であり続け、小さく強く光り輝くことに、この上ない喜びを感じざるを得ないと思っております。

●卯城竜太

そもそも歌舞伎町は、モノを売ってきた街ではない。コトを、サービスを、身体を売ってきた街である。街とアートの歴史を見ても、「ゼロ次元」や「新宿少年アート」、「状況劇場」、Chim↑Pomでいえばエリイの結婚デモや解体間近のビルでの展示など、ハプニングや身体表現が勃発する場所だった。そのような街にアートスペースなど可能だろうか?美術館型のホワイトキューブにとって物質性と不変性はデフォルトである。歌舞伎町で起きてきたことはまさにその真逆、パフォーマティブな流動性によるアクシデントだった。だからこそ、劇場型のまちづくりにあっても歌舞伎町には、美術館が必要とされてこなかった(のではないか)。この街にあえて「美術館」ができるとしたら……そこで鑑賞されるのはきっとモノではなく、完全なる出来事だろう。そんな展示スペースは可能だろうか?

●手塚マキ

「てめーら1時間後に死ぬかもしれねーんだろ?だったら楽しもうぜ!」高級シャンパンが入ったホストク

ラブの席で売れっ子ホストが叫んでいる。

この町は湿地の上に立つ盛り場だ。角筈から運ばれた土がこの沼地の水を塞ごうとしてもなお、明日のことを考えていないヒトたちの泥酔した汗が、熱気のこもったゴールデン街の息苦しさのなかを、地下のホストクラブのひびわれた壁をつたう水のなかを彷徨っている。湿り気、それは我々がうとましくおもい、包みかくそうとしてきたものではなかったか。それでも私は、他人の目など気にせず湿り気に誘われて沼にはまる時間が人間には必要だと思う。肩書や役割を捨て、ただの1人の人間として。

●山本裕子

新宿・歌舞伎町は戦後の復興計画にあっても多様性に溢れ、1960年頃からは多くの前衛芸術家らが活動してきた場であり、今なお路上文化が息づく、東京最後の有機的な繁華街です。ここに居場所を見つけた生身の人間が本音で生きる街のそのリアルな様は、怖くもあり、清々しくもある。Chim↑Pom from Smappa!Groupや東急歌舞伎町タワーのアートプロジェクトに関わる中で、この街を魅力的にしているのは、まさにその人間たちがつくってきた文化だと実感しています。王城ビルで新たに立ち上がった地元の機運と共にある芸術活動が、日本のアートシーンの一つになり、その特性から、翻って最もインターナショナルな評価を得てしまう可能性を感じます。

●田島邦晃

奈落は地獄なのだろうか。ずっと考えている。

奈落は「土」であり、土の上は舞台であり、その上で踊るぼくたちは「風」ではないだろうか。

詩人の岩崎航が「漆黒とは、光を映す色のことだと。」と詠んでいる詩を思い出した。

奈落の底からは光が噴き出し、その上で僕たちは踊る。

奈落は希望であり、風土を作り出している。

いみじくもChim↑Pom from Smappa!Group は、今回のテーマを「ナラッキー(Na-Lucky)」とした。

奈落の底の希望を感じ、漆黒の中の光を浴びて踊る、傾奇者になる。

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皆様のご清栄をお祈りするとともに、「ナラッキー」王城ビルへのご来場をお待ちしております。

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