6人組メンズグループ9bic(キュービック)が6月24日、大阪・なんばHatchで『9bic 4th Anniversary Live tour 2023 ~あの頃、君と見た景色をこの先も君と~』大阪公演を開催した。
9bicは、「現在(イマ)を生きる王子様(プリンス)達」がコンセプト、ツンデレ王子「市川慶一郎」、全力ヲタク「双葉小太郎」、全国民の弟「椚三波斗」、圧倒的顔ラン「四季涼雅」、ミラクルボイス「仮屋瀬さつき」、ミステリアスボーイ「六花清春」という個性豊かな6人からなるグループ。彼らはYouTuber「ハコイリムスコ」としても活動するなど、多岐にわたる分野で人気を博してきた。同ツアーはグループの結成4周年を記念して行われ、大阪公演は昼夜2部制で開催。夜の部はオンライン配信も実施され、多くの立方隊(9bicのファンネーム)を楽しませた。
開演前から市川慶一郎と椚三波斗が自ら影アナを務め、場内の期待感はもう爆発寸前。この日はコロナ禍を経て3年ぶりのコール解禁とあって、1曲目の「secret love」から「大阪~! まずは大きな声を聞かせてください!!」と椚が煽れば、ステージとフロアで声が飛び交う大盛り上がり! 会場の隅々で舞うペンライトが高揚感を彩る中、その後も鉄板のアンセム群を立て続け、序盤からライブの熱量は増していくばかり。一転、ツアーのリードソングである「君と僕、繋ぐ景色」では、切なくも甘いメロディと歌声に思わずグッと引き込まれる。
この日は大阪公演ということで、メンバーがそれぞれ関西弁でMCに挑戦するほほ笑ましい一幕も。四季涼雅と仮屋瀬さつきの仲むつまじいトークにも笑顔が絶えない。かと思えば、衣装チェンジしたダンスブレイクでは、ド派手の照明とシンクロしたパフォーマンスでも躍動感たっぷりに魅せていく。
後半戦は、六花清春の「まだまだ盛り上がっていきましょう!」の一声から始まった撮影OKの最新曲「ジーニアスター」をはじめ、メンバーカラーのオールインワンを身にまとった6人が、高速BPMのハイテンションナンバーを次々と披露。他にも、今回のツアーに向けて改めて練習したという市川のドラム演奏も見どころの「夜もすがら君想ふ」と、とにかくファンを喜ばせたいという思いが伝わるセットリストを最後まで展開。双葉小太郎が告げた「皆さんとの一秒一秒が思い出です、いつもありがとう!」との言葉が、それを如実に表していた。
あっという間に迎えたアンコールでは、まずはスクリーンにVTRが映し出される。そこで市川が一歩前へと踏み出し、花束を残してその場を去ったと同時に、「9bic卒業 市川慶一郎」と浮かび上がったまさかの報告に、一斉にどよめきと悲鳴が巻き起こる。一人ステージへと現れた市川は、時折涙をこらえながらこう語る。
「僕、市川慶一郎は11月23日(木・祝)をもちまして、9bicを卒業することになりました。理由としては、個人でどうしても成し遂げたい希望や夢ができて、年齢とかタイミングとか、いろいろ考えた上で、プロデューサーやメンバーのみんなとたくさん話し合いを重ねてきて、こういった形になりました。周年ライブという場を借りて発表するかどうかは悩んだんですが、ありがたいことに時間をいただけたので、発表させてもらうことにしました。9bicが始まる前から数えたら6年弱ぐらいこのメンバーと一緒にいて……自分にとってかけがえのない経験になりました。11月23日(木・祝)までは、今までと変わらず6人の9bicを全力でお届けするので、皆さんぜひ応援よろしくお願いします。そして、それ以降も、9bicのことを応援していただけると嬉しいです、本当にありがとうございました。」
メンバー全員が必死に涙をこらえながら歌う「デルフィリウム」を前に、気持ちが溢れずにいられたファンがいったいどれだけいたことだろう。
「楽しいことも辛いことも一緒に経験してきた仲間だからこそ、市川くんがいなくなってしまうのは本当に寂しい気持ちです。でも、市川くんが決めた道を仲間として一番に応援していきたいと思っています。これから市川くんが卒業するまでの期間、一日一日を大切に、かみ締めてやっていきたいと思います」(仮屋瀬)
「急な発表で皆さんもまだ受け入れ切れてないかと思うんですけど、11月23日(木・祝)には僕たちメンバーとファンの皆さんで、市川くんの背中を押して、今までお疲れ様、これからも頑張ってねと、送り出せたらすごく素敵だなと思いますし、市川くんにはいい意味で、9bicをあのとき卒業してよかったなと思えるような人生を歩んでほしいと思っています。11月23日(木・祝)までは僕たち6人で9bicです。これからも9bicの応援をよろしくお願いします」(六花)
そしてラストは、「市川くんの夢をみんなで後押してあげるために、この曲を歌います」と双葉がいざない、「夢ファンファーレ」でエンディングへ。歌い終えても誰もが喪失感で言葉を失う光景に、「まだ11月23日(木・祝)まで時間はあるから、今までよりももっともっと、この4カ月をメンバー6人で濃い時間にできたらと思います。周年なのにしんみりさせてすいませんでした」と市川が口を開けば、「11月23日(木・祝)まで、みんな頑張ろうね。円陣でも組んどく?」と双葉。肩を組み「これからも6人で一つだから。市川くんが卒業するまでずっとずっと頑張るぞ!」と椚が宣言し、劇的な一夜が幕を閉じた。
なお、本公演のアーカイブ映像は、「はこだしっ!キュービック」チャンネルにて6月25日(日)23:59まで配信。7月30日(日)には神奈川・パシフィコ横浜にて『9bic 4th Anniversary Live tour 2023 ~あの頃、君と見た景色をこの先も君と~』ファイナル公演(昼夜2部制)を、11月23日(木・祝)には東京・豊洲PITにて市川慶一郎の卒業公演が開催される。チケットはチケットぴあにて販売。
〈9bic 4th Anniversary Live tour 2023〉
2023年7月30日(日)
東京(横浜)公演:パシフィコ
詳細:https://9bicofficial.net/2023/02/22/12317/
〈9bic 市川慶一郎 卒業公演〉
2023年11月23日(木・祝)
東京:豊洲PIT
詳細は後日追ってご案内させていただきます
Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by むっち