6月4日〜10月30日【場所】東京都・神奈川県・石川県・香川県
12回の出前授業には、立川こしら、立川志獅丸、鈴々舎馬るこ、弁財亭和泉、立川吉笑、三遊亭わん丈、三遊亭ふう丈、桃月庵白浪の8名の落語家が持ち回りで参加。会場の多くは小学校・中学校で、生で落語を見るのが初めてという子どもたちばかりでしたが、人気の漫画や時事ネタを盛り込んだつかみの小噺に場内は笑いに包まれ、会場が暖まったところで海落語を披露。8人の落語家たちがそれぞれ創作した海落語は、噺の中に巧みに海洋ごみ問題を織り込んだもので、参加した子どもたちは笑いながらも海洋ごみ問題に対する意識を高めた様子でした。子どもたちに話を聞いてみると「面白かったけど、海のことを考えると笑ってばかりいられないなと思った」「昔話(浦島太郎)を元にした落語だったので、分かりやすかったし面白かった、ごみだらけの龍宮城を想像したら嫌だなと思った」「笑点みたいな感じだと思っていたら違くて楽しかった。でも、海ごみのことを知って気をつけようと思った」といった意見が聞かれました。また、ある学校の先生に話を聞くと「大衆のための芸能である落語に、海洋ごみ問題は一見リンクしないように思いましたが、今や海洋ごみ問題も大衆の問題なんだと思うと、落語と海洋ごみ問題はある意味相性がいいのですね」とおっしゃっていたのが印象的でした。
海落語の後には、環境専門家でプロジェクトのコーディネーターでもある井手迫義和と共に「海洋ごみの問題」「海の温暖化や酸性雨」「漁業資源の問題」など、海に関する問題点をスライドを使って説明。その後は「海の問題を放置しておくと2050年の寿司屋ではどんな寿司ネタが並ぶのか?」を参加者を巻き込んだクイズ形式で行い、今は豊富な魚介による寿司ネタを揃える寿司屋が、2050年には貧相な寿司ネタばかりになってしまうというを伝えました。その事実に子どもたちは少なからずショックを受けていた様子でしたが、海の問題をシリアスに伝えるのではなく、落語の笑いとクイズ形式で楽しく伝えることによって、子どもたちに海の問題を身近に感じてもらえたのではと感じました。この「海の落語プロジェクト」は、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
●海の落語プロジェクトとは
日本財団「海と日本プロジェクト」の一環。海の問題を難しく考えたり、押し付けたりするのではなく、①日本の伝統文化である落語の“笑い”を通じて海の現状を面白く伝え、興味を持ってもらう/②“環境の専門家”によるトークで、楽しく分かりやすく伝えていく。そうすることで、多くの人に海の問題を知ってもらい、“自分ごと”としてとらえてもらう事を目的とするプロジェクトです。
さらにSDGs「14.海の豊かさを守ろう」にあたる「海の温暖化や酸性雨」「海洋ごみの問題」「漁業資源の問題」などをテーマにした落語を用意しているので、学校やイベントでのSDGs学習に活用していただくことが可能です。「海の落語プロジェクト」では、出前授業の申込みを募集中です。詳しくは公式サイトをチェックして下さい。
https://umirakugo.uminohi.jp/
団体・企業概要
団体名称:海の落語プロジェクト実行委員会
本社所在地:東京都港区赤坂7-10-9 赤坂伊藤ビル2階
電話番号:03-6441-2561
代表理事:井手迫義和
設立:2018年
URL:https://umirakugo.uminohi.jp
活動内容:海の落語プロジェクトの運営
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/